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恋セヨ乙女
第12章 嫉妬
朝、駅のホームに先生がいた。
「…おはようございます」
夕べ彼女のとこに泊まったためだろう。
卑屈な私は愛想もなく挨拶する。
先生は私を一瞥して前を向いた。
私も何を話すでもなく電車を待つ。
まもなく電車がホームに着いた。
私が乗り込むと先生も乗り、隣に立つ。
……気まずい。
気まずいことなんて本当はないのに、それは私の心がやましい証拠なのだろうか。
夕べベッドの中で悶々した。
大地の事もあるけれど、今ごろ先生はあの人を抱いているんだろうかなんて…
苦しくて切なくて。
目を瞑れば裸の二人が愛し合っている。
キスしたり抱き合ったり…
手すりに額をコツンと預け、蘇る切なさを封じ込めた。
「具合悪い?」
頭上から心配そうな声が落ちる。
見上げてフルフルと首を振ると先生の目がある一点で留まった。
……何?
私の肩より少し上。
そして先生の手が首筋に触れた。
ゾクリとした甘さが背筋を走り抜け、体がビクンと跳ねた。
「あっ……んっ!」
「ふうん…いっちょ前にねぇ…」
先生が何を言っているのだろうと考えて、その位置は大地のつけたキスマークだと気づく。
「これは違…」
「ま、生徒の色恋なんてどうでもいいけど」
急に先生の目がすごく冷たい。
その理由が私には分からなくてキスマークを隠すように手櫛で髪を整えた。
会話一つないそれからの数十分は地獄のような時間に思えた。
学校のある駅につくと先生が先に電車を降りる。
紺のスーツの後ろ姿を見ながら首筋に手を当て一定の距離を保ちながら歩いた。
「先生おはようございまーす」
学校の側まで来ると、先生のファンらしき女の子たちが黄色い声で先生を囲む。
「おはよう」
いつも通り爽やかに先生がみんなに微笑みかけた。
それはさっき私に向けられた目とは全然違う。
……私何かしたっけ?
高校生なのにキスマークなんてつけてるから軽蔑された?
無意識に私の足は遅くなる。
離れていく先生と私の距離。
言い様のない悲しさを抱いて私も学校へ向かった。
「…おはようございます」
夕べ彼女のとこに泊まったためだろう。
卑屈な私は愛想もなく挨拶する。
先生は私を一瞥して前を向いた。
私も何を話すでもなく電車を待つ。
まもなく電車がホームに着いた。
私が乗り込むと先生も乗り、隣に立つ。
……気まずい。
気まずいことなんて本当はないのに、それは私の心がやましい証拠なのだろうか。
夕べベッドの中で悶々した。
大地の事もあるけれど、今ごろ先生はあの人を抱いているんだろうかなんて…
苦しくて切なくて。
目を瞑れば裸の二人が愛し合っている。
キスしたり抱き合ったり…
手すりに額をコツンと預け、蘇る切なさを封じ込めた。
「具合悪い?」
頭上から心配そうな声が落ちる。
見上げてフルフルと首を振ると先生の目がある一点で留まった。
……何?
私の肩より少し上。
そして先生の手が首筋に触れた。
ゾクリとした甘さが背筋を走り抜け、体がビクンと跳ねた。
「あっ……んっ!」
「ふうん…いっちょ前にねぇ…」
先生が何を言っているのだろうと考えて、その位置は大地のつけたキスマークだと気づく。
「これは違…」
「ま、生徒の色恋なんてどうでもいいけど」
急に先生の目がすごく冷たい。
その理由が私には分からなくてキスマークを隠すように手櫛で髪を整えた。
会話一つないそれからの数十分は地獄のような時間に思えた。
学校のある駅につくと先生が先に電車を降りる。
紺のスーツの後ろ姿を見ながら首筋に手を当て一定の距離を保ちながら歩いた。
「先生おはようございまーす」
学校の側まで来ると、先生のファンらしき女の子たちが黄色い声で先生を囲む。
「おはよう」
いつも通り爽やかに先生がみんなに微笑みかけた。
それはさっき私に向けられた目とは全然違う。
……私何かしたっけ?
高校生なのにキスマークなんてつけてるから軽蔑された?
無意識に私の足は遅くなる。
離れていく先生と私の距離。
言い様のない悲しさを抱いて私も学校へ向かった。