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恋セヨ乙女
第12章 嫉妬
「どうしたの?」


「どうしたのじゃねーよ。…なかなかメール来ないから」


「まだ学校のそばのショッピングモールなんだ」


大地くん?大地くん?
後ろで二人が騒ぎ出す。


「何時になるか分かんないからいいよ。遅くなったらお母さんに…」


「あ、もしもし大地くん?」


お母さんに迎えに来てもらうから…
と言いかけてゆらが携帯を奪った。


「ゆらです、あのねもうすぐ帰るから真優のこと迎えに来てくれる?」


「ちょっとゆら、わざわざいいよ」


大地を呼ぶゆらから携帯を取り返そうとするもゆらはしなやかにそれを交わす。


「うん、じゃあついたら真優に連絡して?それまで真優と一緒にいるから」


やっとの思いで携帯を奪取し耳に当てると…


「もしもし大地?もしもーし…」


話は既に終わっていた。


「………」


「甘えなさい甘えなさい」


「でもまだ大地とは…」


「そうなるようにしたいんでしょ?」


確かにね。
恋人ならそんな風に甘えてもいいのかもしれない。
でも私の気持ちに変化があっただけで関係自体は動いてないし、それに親しき仲にも礼儀あり…というのがこの場合合ってるか分からないけど、わざわざ用のない人を迎えに来させるのもどうかと思う。


「甘えられると嬉しいらしいよ」


「………」


「優越感っつーの?」


「エロ漫画の知識?」


「一般論、…多分」


最後なっちゃんはなんとなく言葉を濁した。


「だから甘えとき!」


「……いいのかな」


「いいんです!」


それからしばらく三人でフラフラしてると大地から連絡が入る。
本当にわざわざ来てくれた大地と落ち合いなっちゃんやゆらと別れた。

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