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恋セヨ乙女
第13章 修学旅行ナイショの恋
「生鹿!生鹿!!」
恐る恐る鹿せんべいを差し出すと鹿はお義理程度に鹿せんべいを取って食べた。
「あれ…イメージと違う」
「この時期は修学旅行生にいっぱい貰えるから鹿もガツガツしてないらしいよ」
修学旅行の前半二日は奈良、後半二日は京都に行く。
今日は一日目、奈良に着いて奈良公園内を見学している。
興福寺の五重の塔を見て現在鹿と戯れながら東大寺に移動中。
修学旅行生は私たちだけじゃなくて観光客も沢山いるからせんべいを見せても思ったほど鹿さんは寄ってこなかった。
「うわっ!!」
残念に思ってると先の方で雄叫びが聞こえた。
反応して思わず見るとそれは先生で……
「鹿に襲われてる…」
「いい男は生物界共通なのね」
「あはは、鹿に揉まれて尻餅ついちゃって」
尻餅ついた先生を周りの生徒たちがキャッキャと腕を引いて甲斐甲斐しく立ち起こす。
古都奈良の情景に似つかわず、先生の周りはとにかく鹿と女子で賑やかだ。
「やべ、財布」
「恭くん気を付けて~」
財布が落ちたことに気づいて先生が財布をお尻のポケットに慌ててしまった。
今までは遠慮していた先生ファンも鹿の一件で打ち解けたのだろうか。今では堂々と先生にくっついている。
その行列は見慣れている私たちでも引いてしまうほど賑やかだ。
「こんなとこでまで騒がなくたってね」
「行くよ真優」
「……ん?」
歩き出して気づいた。
少し先に何かが落ちてる。
反射的に拾うと顔写真がまず目に入った。
「これ…先生の免許…」
さっき尻餅ついた時に落ちたのだろうか。
「大事なものだよね」
先生を見ると女の子と鹿のハーレム状態でとても近づける気がしない。
表面の砂を手で払ってどうしようかと考える。
「まゆーー!!どうしたのー!?」
なっちゃんが叫ぶ声に我に返る。
気がつけばみんなと随分離れていた。
「行っちゃうよー!!」
「待ってー!今行くーー!!」
免許をどうしようか気がかりだけど置いていかれたら大変だ。
思わずポケットに免許をしまってなっちゃんたちのもとへ走っていった。
恐る恐る鹿せんべいを差し出すと鹿はお義理程度に鹿せんべいを取って食べた。
「あれ…イメージと違う」
「この時期は修学旅行生にいっぱい貰えるから鹿もガツガツしてないらしいよ」
修学旅行の前半二日は奈良、後半二日は京都に行く。
今日は一日目、奈良に着いて奈良公園内を見学している。
興福寺の五重の塔を見て現在鹿と戯れながら東大寺に移動中。
修学旅行生は私たちだけじゃなくて観光客も沢山いるからせんべいを見せても思ったほど鹿さんは寄ってこなかった。
「うわっ!!」
残念に思ってると先の方で雄叫びが聞こえた。
反応して思わず見るとそれは先生で……
「鹿に襲われてる…」
「いい男は生物界共通なのね」
「あはは、鹿に揉まれて尻餅ついちゃって」
尻餅ついた先生を周りの生徒たちがキャッキャと腕を引いて甲斐甲斐しく立ち起こす。
古都奈良の情景に似つかわず、先生の周りはとにかく鹿と女子で賑やかだ。
「やべ、財布」
「恭くん気を付けて~」
財布が落ちたことに気づいて先生が財布をお尻のポケットに慌ててしまった。
今までは遠慮していた先生ファンも鹿の一件で打ち解けたのだろうか。今では堂々と先生にくっついている。
その行列は見慣れている私たちでも引いてしまうほど賑やかだ。
「こんなとこでまで騒がなくたってね」
「行くよ真優」
「……ん?」
歩き出して気づいた。
少し先に何かが落ちてる。
反射的に拾うと顔写真がまず目に入った。
「これ…先生の免許…」
さっき尻餅ついた時に落ちたのだろうか。
「大事なものだよね」
先生を見ると女の子と鹿のハーレム状態でとても近づける気がしない。
表面の砂を手で払ってどうしようかと考える。
「まゆーー!!どうしたのー!?」
なっちゃんが叫ぶ声に我に返る。
気がつけばみんなと随分離れていた。
「行っちゃうよー!!」
「待ってー!今行くーー!!」
免許をどうしようか気がかりだけど置いていかれたら大変だ。
思わずポケットに免許をしまってなっちゃんたちのもとへ走っていった。