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喫茶室白百合から愛を込めて
第7章 振り出し
【喫茶室白百合】




その店の前では不届きな輩が、






ニヤニヤと笑いながらスマホを眺め遣る。





「アメリカ人のラッバーは、ピーは女性はOKらしいぞ!」





何やら好意的な声がかかった。






夕美は知っていたが知らない振りをしたが、






3人で吊るむラッバーの少年達は、





陽気で悪意を感じさせなかった。






差別されているのは自分達だけでは無い、と





言いたげな正義感を振りかざしている、つもりらしい。








少しずつ大人びた顔つきへ成長した夕美は、







無口でいれば安全なことを心得ていたが、






綺麗事を言えない年齢へ成っていけば、





自分の性癖を差別や危険に、





この身を晒すことが畏れていた。






末名賀麻衣子さんの手招きで、








【喫茶室白百合】



煌びやかな看板をよそに、



夕美は入店した。












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