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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第6章 法子~部下との取引
私の体から降り、服装を整える人妻を、どうすることもできなかった。

少し乱れた髪を気にしながら、田島の妻は冷たい視線を私に投げてきた。

「最初からそういうことだったんですね」

「違いますよ、奥さん」

「私のことが目当てで、それで主人を言いようにそそのかして」

「そういうわけじゃないんです」

「見損ないましたわ、有沢さん」

田島の妻はそう言い残すと、その場を立ち去ろうとした。

「奥さん、もうお戻りになるんですか?」

「主人と一緒に、私も外の空気にでもあたってきます」

そして、彼女は部屋を出ていった。

残された私は、やり場のない困惑を抱えていた。

全ては、身勝手な計画のせいだ。

今夜だけではない。

私は、ずっと自分が思い上がってきたことを、遂に認識した。

別に、女性にもてるわけではないのだ。

それは錯覚だった。

何年もの勘違いを、今夜で一気に否定されたような気分だった。

いや、目を覚ますことができたのかもしれない。

もう一度、まっとうな生活に戻るチャンスなのだ。

それに気づかぬまま年老いていくよりは、よほどましかもしれない。

しばらくの間、私はぬるいビールを飲みながら、そんなことを思った。

随分長い間、妻のことを放ってきたような気がする。

この旅行を機に、何かを変えてみようか・・・・・。

私は立ち上がり、時計を見た。

既に午後10時をまわっている。

部屋にいる妻は、もう寝ているのかもしれない。

毎晩、妻の夜は早いのだ。

カラオケボックスから出て、私はふと、宿の玄関付近を見た。

田島の妻が、闇の中に姿を消そうとしている。

先に外に出た夫を探しに行くのだろうか。

私はその姿を見届けた後、部屋に戻ることにした。

2階の一番奥の部屋が、我々夫婦の部屋だった。

恐らくは寝入っているだろう妻のことを気遣い、私はそっとドアを開けた。

ドアスペースと室内の間は、襖で仕切られている。

襖の隙間から、ほのかな灯りが漏れてくる。

照明を落し、やはり妻は既に眠っているようだ。

館内用のスリッパを脱ぎ、私は襖に手をかけた。

そのときだった。

襖の向こう側から、妙な音がしたのは・・・・・。

「ああんっ・・・・・・・」

紛れもなくそれは、妻、法子の声だった。

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