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第7章 麻由子～夫の浮気相手、その夫

夫、光彦には一切内密の行動だった。

夫を問いただそうか。

証拠らしきものは多々あるのだ。

だが、麻由子はそれを選択しなかった。

夫をたぶらかした相手。

人妻であるその女に対する憎悪の感情だけを、麻由子は抱いていた。

控えめでおとなしいタイプではあるが、正義感は強い麻由子だ。

興信所からの報告を、麻由子は強い怒りと共に読み込んだ。

相手の女性は29歳。

飲食店勤務、そして、勤務先の名前もはっきりあった。

「いわゆるキャバクラと形容されるような店となります」

興信所のレポートにはそんな但し書きも丁寧に添えられていた。

夫がそんな店に・・・・・・。

麻由子は、しかし、すぐに思い直した。

仕事の付き合いで、無理やりに行ったのだろう。

そして、そこにいた女性に標的にされたに違いない。

そうだ、夫は金を巻き上げられる対象とされているのではないか。

体を使って誘惑し、夫をその店に入りびたりにする。

夫に罪悪感を負わせ、それを脅迫材料として、来店を強要するのだ。

そして、金をどこまでも巻き上げていく。

既婚者でありながら、自分の体を交渉材料にするなんて・・・・・。

いやらしい・・・・・・・・。

麻由子は、男女の性に関しては、嫌悪感がまず先に来た。