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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第2章 佳恵~義父との許されない関係
夫の実家に行くことは、それほど頻繁ではなかった。

やはり、子供がいないことは大きかった。

1人息子である耕一の子供、初孫の誕生を、義父母が強く願っていることを、佳恵は痛いほど感じていた。

だからこそ、佳恵は夫の実家に行くことを、いつしか敬遠するようになっていた。

義父母は、子供のことについて、あからさまな発言をすることはなかった。

「ああ見えても、俺たちに気を遣っているんだよ」

耕一は、両親をフォローするように、佳恵に何度かそう言ったものだ。

夫の実家に行くことに気が進まないのは、子供のことだけではなかった。

義父である精三のことが、佳恵はどうも好きになれなかったのだ。

嫌悪するわけではない。

ただ、なかなか打ち解けることができなかった。

極端に無口な男性で、実家に行っても自分の書斎にほぼ閉じこもっている。

大学に勤務していた義父は、1人でいつも難しそうな本を読み耽っていた。

結婚後、義父と会話したことはほとんどないのかもしれない。

夫の実家で遭遇し、義父に見つめられるだけで、佳恵は落ち着くことができなかった。

無口だが、息子の妻である女性をじっと観察するような気配が、佳恵を不安にさせたのだ。

正月、そして連休のどこかで。

佳恵が夫の実家に行くのは、年数回もあるかどうか、というところだった。

その実家に住むことになるのだ。

義父、精三と同じ屋根の下で。

佳恵は、妙な胸騒ぎを感じずにはいられなかった。
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