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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第7章 麻由子~夫の浮気相手、その夫
待合室の椅子は、世界から置き去りにされたかのように、固く、冷たかった。
肢体を強張らせながら、麻由子はそこに座り続けている。
「何か月なんですか?」
「5か月なんですよ」
「まあ、じゃあ、同じくらいですね」
「もうどっちか聞きました?」
「そろそろわかるかもしれないって先生には言われてるんですけど」
「聞きたいような、聞きたくないような、って感じですよね」
20代後半と思われる女性二人が、麻由子のそばで楽しげに談笑している。
共にマタニティウェアを着た二人は、同じように大きなお腹を抱えている。
麻由子はそれに気づかぬ振りをした。
ここは私がいるべき場所ではない・・・・・・・。
ハンカチを握りしめたまま、麻由子は心の中でそう叫び続けていた。
一瞬、あの男のアパートの記憶がよみがえった。
そこで遂に知ってしまった、性の快感の記憶を・・・・・。
「速水さん、速水麻由子さん、どうぞ」
「は、はい・・・・・・」
立ち上がり、診察室に向かう麻由子は、一人の女性とすれ違った。
「じゃ、かすみさん、今度は2週間後ね」
「ええ。じゃあ」
女性看護師とそんな言葉を交わし、その女性は待合室に向かった。
くっきりとした顔立ちの、美しい女性だった。
麻由子は思わず看護師に聞いた。
「今の方・・・・・・・、もしかして、相沢さん・・・・・・・・」
「あら、お知り合いですか?」
「え、ええ・・・・・・・」
「そろそろ安定期ですよ、かすみさんは。さあ、こちらへどうぞ」
そして、麻由子は診察を受けた。
問診、いくつかの数値の確認、そして超音波検査。
結果が通告されるのを、麻由子は深い困惑と共に待った。
相沢かすみが身ごもった子供の父親のことを想像しながら・・・・。
「速水さん、お待たせしました」
説明を始める前、医師が麻由子に爽やかな笑みを浮かべた。
<第七章 完結>
肢体を強張らせながら、麻由子はそこに座り続けている。
「何か月なんですか?」
「5か月なんですよ」
「まあ、じゃあ、同じくらいですね」
「もうどっちか聞きました?」
「そろそろわかるかもしれないって先生には言われてるんですけど」
「聞きたいような、聞きたくないような、って感じですよね」
20代後半と思われる女性二人が、麻由子のそばで楽しげに談笑している。
共にマタニティウェアを着た二人は、同じように大きなお腹を抱えている。
麻由子はそれに気づかぬ振りをした。
ここは私がいるべき場所ではない・・・・・・・。
ハンカチを握りしめたまま、麻由子は心の中でそう叫び続けていた。
一瞬、あの男のアパートの記憶がよみがえった。
そこで遂に知ってしまった、性の快感の記憶を・・・・・。
「速水さん、速水麻由子さん、どうぞ」
「は、はい・・・・・・」
立ち上がり、診察室に向かう麻由子は、一人の女性とすれ違った。
「じゃ、かすみさん、今度は2週間後ね」
「ええ。じゃあ」
女性看護師とそんな言葉を交わし、その女性は待合室に向かった。
くっきりとした顔立ちの、美しい女性だった。
麻由子は思わず看護師に聞いた。
「今の方・・・・・・・、もしかして、相沢さん・・・・・・・・」
「あら、お知り合いですか?」
「え、ええ・・・・・・・」
「そろそろ安定期ですよ、かすみさんは。さあ、こちらへどうぞ」
そして、麻由子は診察を受けた。
問診、いくつかの数値の確認、そして超音波検査。
結果が通告されるのを、麻由子は深い困惑と共に待った。
相沢かすみが身ごもった子供の父親のことを想像しながら・・・・。
「速水さん、お待たせしました」
説明を始める前、医師が麻由子に爽やかな笑みを浮かべた。
<第七章 完結>