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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第11章 千恵子~豪華クルーズ船にて
「贅沢だね、やっぱり」

里島透は、目の前に広がる碧い海を見つめながらそうつぶやいた。

「ええ」

妻、千恵子は普段通り、静かな口調で答えた。

結婚してちょうど10年。

今年7歳になる長男と共に、里島透と千恵子は平穏な日々を送っている。

44歳の透、その妻、千恵子は39歳。

透は、しかし、平穏な日々に果たして妻が満足しているのか、確信がなかった。

結婚当時から、おとなしく、控えめな妻。

口数も少なければ、会話が弾むような相手ではない。

何か不満を言うようなことも、これまで一度もなかった。

だからこそ、妻を楽しませ、喜ばせてやりたい。

透は、少し前からずっとそんなことを考え続けていた。

そして、結婚10周年というタイミングに、透はある案を思いついた。

「千恵子、今度、これに行ってみないか?」

ある日、会社から帰宅した透は、妻にパンフレットを差し出した。

「クルーズ?」

「俺、こんなクルーズに一度でいいから行ってみたかったんだよ」

そこには、日本近海を5日間かけて巡るクルーズ旅行の紹介があった。

「海斗は俺の実家に預けるつもりだ」

息子を置いていくという夫の言葉に、妻は少し驚いた様子を見せた。

「私たち二人だけで?」

「結婚10年の記念に、と思ってね」

「あなた・・・・・・」

「普段千恵子には迷惑をかけているから、たまには、と思ってな」

そして・・・・。

8月の後半、透と千恵子はそのツアーに参加した。

巨大なクルーズ船。

青空からは、じりじりと強い日差しが照りつけてくる。

「海なんか、しばらく見たことなかったな」

「そうね」

普段は着ないワンピース姿で隣に立つ妻の細い肢体を、透は優しく抱き寄せた。
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