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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第12章 泉~遠い昔の記憶
荒木が住むアパートは、比較的新しいものだった。

だが、クラスにはこんな噂があった。

「あいつの親父は懲役刑で刑務所にぶちこまれたらしい」

「借金まみれで、夜逃げ同然でこの街に逃げてきたらしいぜ」

私には、そんな噂はどうでもよかった。

授業後、彼の家に行くと、なぜかほっとする空間があった。

勉強にうるさい親がいる我が家からつかの間でも逃避したい、との思いもあっただろう。

だが、荒木の家に行くのが楽しみな理由は、別にあった。

彼の母親の存在だ。

「樋口君、いつもすまないわね、ユウジなんかに付き合ってもらって」

「いえ、僕もユウジ君とこうやって熱帯魚を眺めるのが楽しいですから」

母子家庭の真相はわからない。

噂の通り、荒木の父親は刑務所にいるのかもしれない。

私は彼の父親を一度も見たことがなかった。

一方で、彼の母親は必ず家にいた。

中学2年の男子にとって、友人の母親というのは、やはりはるかに年長な存在だ。

私は、荒木の母親のことを、当然のように「おばさん」と呼んでいた。

にもかかわらず、私は彼の母親がどこか違うことを感じていた。

いったい何歳だったのだろうか。

私、或いは周囲の友人の母親より若かったことは確かだ。

すごく細身ですらりとした体型の人だった。

きれいだった。

14歳の少年に、年長の女性の判断などまだ難しいのかもしれない。

だが、私には単純にそう思えた。

荒木の母親は、とてもきれいだったのだ。

既に女性への興味には目覚め、急速に性欲も高まっている年齢だった。

しかし、私は荒木の母親をそういう対象ではとらえなかった。

何というか、そんな性的な欲情の対象を超越した、助けてやりたいと思わせるような存在であった。

そう。

彼の母親は、とてもおとなしく、口数の少ない女性だった。

その笑顔の陰には、いつも何かに苦しみ、悩んでいるような雰囲気があった。
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