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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第12章 泉~遠い昔の記憶
声も小さく、おとなしい女性。
このような母親のもと、どうして荒木のような超がつく不良生徒が生まれ育ったのか、私には謎だった。
父親がそばにいなかったせいかもしれない。
荒木は一人っ子だ。
母親は、私の訪問をいつも歓迎してくれた。
荒れた息子の友人が、そんな風に遊びに来ることは少なかったのかもしれない。
私と荒木は、いつも水槽が設置してある部屋にこもった。
母親は私たちに邪魔することなく、襖を隔てたもう一つの部屋でいつも何か内職めいたことをしていた。
「うちのおふくろ、外で働くことがいやなんだよな」
あるとき、荒木がふとこんなことを言った。
「どういうこと?」
「昔、何かトラブルに巻き込まれたことがあるらしい」
「トラブル?」
「変な男に絡まれたらしい。もったいないよな。あんな内職なんかよりも、外で働く方がよほど金になると思うけど」
「おばさん、綺麗だからなあ」
私がふと漏らした言葉に、荒木は珍しくうれしそうな表情を浮かべた。
「樋口、そう思う?」
「ああ。少なくとも俺のおふくろよりは100倍綺麗だよ」
そのときの荒木の誇らしげな顔つきは、今でも覚えている。
彼は、美しい母親のことを密かに誇りに思っていたのだ。
初めの頃、そんな彼の母親と接する時間は、私にはほとんどなかった。
だが、その時間は思いがけず、訪れた。
彼と一緒に遊ぶようになって数か月経ったある日のこと。
梅雨時の蒸し暑い午後だった。
私は荒木の母親と初めて二人きりになった。
このような母親のもと、どうして荒木のような超がつく不良生徒が生まれ育ったのか、私には謎だった。
父親がそばにいなかったせいかもしれない。
荒木は一人っ子だ。
母親は、私の訪問をいつも歓迎してくれた。
荒れた息子の友人が、そんな風に遊びに来ることは少なかったのかもしれない。
私と荒木は、いつも水槽が設置してある部屋にこもった。
母親は私たちに邪魔することなく、襖を隔てたもう一つの部屋でいつも何か内職めいたことをしていた。
「うちのおふくろ、外で働くことがいやなんだよな」
あるとき、荒木がふとこんなことを言った。
「どういうこと?」
「昔、何かトラブルに巻き込まれたことがあるらしい」
「トラブル?」
「変な男に絡まれたらしい。もったいないよな。あんな内職なんかよりも、外で働く方がよほど金になると思うけど」
「おばさん、綺麗だからなあ」
私がふと漏らした言葉に、荒木は珍しくうれしそうな表情を浮かべた。
「樋口、そう思う?」
「ああ。少なくとも俺のおふくろよりは100倍綺麗だよ」
そのときの荒木の誇らしげな顔つきは、今でも覚えている。
彼は、美しい母親のことを密かに誇りに思っていたのだ。
初めの頃、そんな彼の母親と接する時間は、私にはほとんどなかった。
だが、その時間は思いがけず、訪れた。
彼と一緒に遊ぶようになって数か月経ったある日のこと。
梅雨時の蒸し暑い午後だった。
私は荒木の母親と初めて二人きりになった。