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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第12章 泉~遠い昔の記憶
「樋口、悪いけど先に家に行っててくれよ」
ある日の授業後、荒木が私にこう言った。
相変わらず、彼は授業にはほとんど出ない。
授業が終わるころになると、たまに教室に姿を見せる日がある。
タイミングがあえば、私たちは彼の家で一緒に遊んだ。
その日もまた、そんな日の一つだった。
「先に行ってるの?」
「ちょっと寄るところがあるんだ。先行ってグッピーに餌やっててくれよ」
それだけを言い残すと、彼はすぐに姿を消した。
仕方なく、私は1人で彼のアパートに向かった。
こんなことは初めてだった。
だが、彼の母親はいるはずだ。
私は少し緊張気味に、ドアをノックした。
「あら、樋口君、今日は一人なの?」
私は、先に一人で行くように言われたと、言葉を詰まらせながら説明した。
「ごめんなさいね。じゃ、家の中で待てばいいわ。さあ、あがって」
母親に促されるまま、私はアパートの中に入った。
蒸し暑い午後だった。
クーラーは彼の家にはない。
汗を浮かべながら、私は1人、彼の部屋の水槽を眺め、言われた通りに餌をやったりして時間をつぶしていた。
そのとき、襖の向こう側から突然声がした。
「ジュースでもいかが」
「えっ?」
荒木の母親が、この水槽のある部屋に入ってきたのは、それが初めてだった。
氷の入ったオレンジジュースをお盆に載せた彼の母親の姿は、私を激しく動揺させた。
タイトスカートに、肢体に密着した薄いシャツを母親は着ていた。
私は、スリムな体型と、形よく盛り上がった彼女の胸元に改めて気づいた。
その肉体の魅力に、そのとき私は初めて目覚めたのだ。
「おばさんも・・・、少しここにいてもいいかしら」
それは、恥ずかしさを無理に隠したような言い方だった。
普段はほとんどしゃべろうとしない、物静かなタイプなのだ。
息子の数少ない友人に、気を遣っていたのかもしれない。
「は、はい・・・・」
畳の上に座ったまま、私は彼の母親と至近距離で妙な緊張を抱いた。
口数の少ないことを示すように、母親はしばらく言葉を発しなかった。
やがて、恥ずかしげな小さな声で彼女が言った。
「樋口君はすごく優秀なんですってね」
私は視線をあわせることさえできなかった。
ある日の授業後、荒木が私にこう言った。
相変わらず、彼は授業にはほとんど出ない。
授業が終わるころになると、たまに教室に姿を見せる日がある。
タイミングがあえば、私たちは彼の家で一緒に遊んだ。
その日もまた、そんな日の一つだった。
「先に行ってるの?」
「ちょっと寄るところがあるんだ。先行ってグッピーに餌やっててくれよ」
それだけを言い残すと、彼はすぐに姿を消した。
仕方なく、私は1人で彼のアパートに向かった。
こんなことは初めてだった。
だが、彼の母親はいるはずだ。
私は少し緊張気味に、ドアをノックした。
「あら、樋口君、今日は一人なの?」
私は、先に一人で行くように言われたと、言葉を詰まらせながら説明した。
「ごめんなさいね。じゃ、家の中で待てばいいわ。さあ、あがって」
母親に促されるまま、私はアパートの中に入った。
蒸し暑い午後だった。
クーラーは彼の家にはない。
汗を浮かべながら、私は1人、彼の部屋の水槽を眺め、言われた通りに餌をやったりして時間をつぶしていた。
そのとき、襖の向こう側から突然声がした。
「ジュースでもいかが」
「えっ?」
荒木の母親が、この水槽のある部屋に入ってきたのは、それが初めてだった。
氷の入ったオレンジジュースをお盆に載せた彼の母親の姿は、私を激しく動揺させた。
タイトスカートに、肢体に密着した薄いシャツを母親は着ていた。
私は、スリムな体型と、形よく盛り上がった彼女の胸元に改めて気づいた。
その肉体の魅力に、そのとき私は初めて目覚めたのだ。
「おばさんも・・・、少しここにいてもいいかしら」
それは、恥ずかしさを無理に隠したような言い方だった。
普段はほとんどしゃべろうとしない、物静かなタイプなのだ。
息子の数少ない友人に、気を遣っていたのかもしれない。
「は、はい・・・・」
畳の上に座ったまま、私は彼の母親と至近距離で妙な緊張を抱いた。
口数の少ないことを示すように、母親はしばらく言葉を発しなかった。
やがて、恥ずかしげな小さな声で彼女が言った。
「樋口君はすごく優秀なんですってね」
私は視線をあわせることさえできなかった。