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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第12章 泉~遠い昔の記憶
荒木の母親は、ドアのノックを聞いた瞬間、表情を硬くした。
「樋口君、ごめんなさいね。ここでユウジの戻りを待ってて」
そういうと、母親は少し慌てたように立ち上がった。
去り際に、彼女はふすまをしっかりと閉じていった。
私は何となく感じた。
ドアをノックする音だけで、それが誰なのか母親が気づいたこと。
その来客者がこの時間に訪問することを、母親は想像していなかったこと。
そして、彼女は私にそれを隠そうとしていること、を・・・・。
その直前、私は荒木の母親が漂わせる女性の魅力に全身を熱くさせていた。
だが、今は別の緊張を感じ始めていた。
私は荒木の母親が何かよくないことに巻き込まれている気がした。
身を硬くしたまま、私はふすまのこちら側で耳を澄ました。
母親がドアを開けた気配がした。
私の耳に彼女の声が届いた。
「困ります。こんな時間に・・・・」
潜めた声には、周囲にそれを聞かれたくないという雰囲気が濃厚に溢れていた。
その直後、私が聞いたのは男の声だった。
「あがらせてもらいますよ、奥さん」
構うことなく、アパートの中に入ってくる男の足音。
それがふすまのすぐ向こう側で止まる。
「そ、そこは・・・・」
母親が、少し慌てた様子で、か細い声を発した。
「そこは、息子がいますから」
ふすまが開かれる代わりに、男の声があった。
「元気かい、親父似の不良坊主は」
すぐそこにある小さなテーブルに彼が座る気配がする。
どうやら、荒木の母親は立ったままのようだ。
「それで、奥さん、いったいいつまで粘るつもりですか」
「・・・・・」
「この請求書を見てください。荒木泉様。これ、奥さん宛になってますよ」
「はい・・・・」
「もう家賃が4か月も滞納だ。大家もこれ以上は待てないって言ってるぜ」
「本当に・・・・・、申し訳ございません・・・・・・」
荒木の母親の声が、限界にまで追い詰められた風に響いた。
「樋口君、ごめんなさいね。ここでユウジの戻りを待ってて」
そういうと、母親は少し慌てたように立ち上がった。
去り際に、彼女はふすまをしっかりと閉じていった。
私は何となく感じた。
ドアをノックする音だけで、それが誰なのか母親が気づいたこと。
その来客者がこの時間に訪問することを、母親は想像していなかったこと。
そして、彼女は私にそれを隠そうとしていること、を・・・・。
その直前、私は荒木の母親が漂わせる女性の魅力に全身を熱くさせていた。
だが、今は別の緊張を感じ始めていた。
私は荒木の母親が何かよくないことに巻き込まれている気がした。
身を硬くしたまま、私はふすまのこちら側で耳を澄ました。
母親がドアを開けた気配がした。
私の耳に彼女の声が届いた。
「困ります。こんな時間に・・・・」
潜めた声には、周囲にそれを聞かれたくないという雰囲気が濃厚に溢れていた。
その直後、私が聞いたのは男の声だった。
「あがらせてもらいますよ、奥さん」
構うことなく、アパートの中に入ってくる男の足音。
それがふすまのすぐ向こう側で止まる。
「そ、そこは・・・・」
母親が、少し慌てた様子で、か細い声を発した。
「そこは、息子がいますから」
ふすまが開かれる代わりに、男の声があった。
「元気かい、親父似の不良坊主は」
すぐそこにある小さなテーブルに彼が座る気配がする。
どうやら、荒木の母親は立ったままのようだ。
「それで、奥さん、いったいいつまで粘るつもりですか」
「・・・・・」
「この請求書を見てください。荒木泉様。これ、奥さん宛になってますよ」
「はい・・・・」
「もう家賃が4か月も滞納だ。大家もこれ以上は待てないって言ってるぜ」
「本当に・・・・・、申し訳ございません・・・・・・」
荒木の母親の声が、限界にまで追い詰められた風に響いた。