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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第13章 香菜子~キャンプ場での出来事
午後10時になろうとしている。

喧騒が溢れていたキャンプ場にも、静寂が訪れつつあった。

「香菜子さんのご主人、もう寝ちゃったのかしら」

子供を寝かすためにコテージに戻った二人の父親は、外に出てくることはなかった。

「うちの人、夜、早いから」

夫は息子と一緒に既に眠ってしまったのだろうと、香菜子は確信していた。

「寂しいなあ。もっとお話ししたかったのに」

ためらうことなくつぶやく美月に、香菜子は戸惑いを深くする。

美月は本気で私の夫を誘惑しようとしていたのだろうか・・・。

「美月さん、そろそろ私たちも寝ましょうか」

香菜子は、さりげなく声をかけた。

体奥で、昼間からずっと、妖しげな欲情が疼いている。

日常とは違う空間にきたせいだろうか。

久しぶりに夫に抱いてもらうことを、香菜子は密かに望んでいた。

声をあげてしまうほどに激しく、情熱的に。

だが、美月は香菜子の誘いには乗らなかった。

「香菜子さん、行ってみない?」

「えっ?」

「お子さんはご主人がいるから大丈夫。こんなチャンス、2度とないわよ」

「チャンスって・・・・」

「あの人たちのコテージに行きましょうよ」

香菜子は、その言葉を美月が口にするのをずっと恐れていた。

「美月さん、本気なの?」

香菜子は平静を装って、少し笑みを浮かべて言った。

「もちろん。香菜子さんだって興味あるんじゃないの?」

「そんな・・・・」

「たまに夫以外の男性と楽しく過ごすってのも、主婦には必要だと思うけどなあ」

肉体労働で鍛えられた筋肉質の男たちの裸体の記憶。

よろめきかけた自分を罰するように、香菜子は言った。

「やっぱり遠慮しておくわ」

香菜子の答えを、しかし、美月は既に想像していたようだった。

「真面目よね、香菜子さん」

その言葉に皮肉の気配はなく、香菜子にも素直に受け止められた。

「ごめんなさい」

「じゃあ、香菜子さんの分まで、私、楽しんでこようかな」

「美月さんってば・・・・」

「大丈夫。少し冷やかしに行ってくるだけだから」

美月は、戸惑う香菜子を置いて立ち上がった。

「香菜子さん、先に寝てて」

そう言うと、美月は足早に闇の中に溶け込み、男たちのコテージに向かっていった。

複雑な思いで、香菜子はその後ろ姿を見送った。
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