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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第14章 瞳~図書館での出来事
その日以降、藤崎という男性を、瞳は何度か目にするようになった。

カウンターで担当するときもあれば、館内ですれ違うこともあった。

週に数回は来ているだろうか。

瞳は彼を見かけると、軽くお辞儀をした。

彼もまた、笑みを浮かべてそれに応えた。

確かに山内の言う通りかもしれない。

素敵、という形容があてはまる、好感が持てる男性だ。

女子大の教授か。きっと学生にも人気があるんだろうな・・・・。

夏の気配が高まり、それにつれて来館者も増えてきた。

次第に業務に慣れてきた瞳。

何人かの常連利用者と顔見知りになったが、瞳はどういうわけか、特に彼のことが気になった。

藤崎さん、今日は来るのかしら・・・・。

カウンターに座るとき、いつしか瞳はそんなことを考えるようになっていた。

その日、瞳は久しぶりに山内と一緒にカウンターにいた。

「ねえ、いつなの、出国は?」

「一応、10月頃の予定です」

「じゃあ、あと3か月ちょっとか。もう少しの我慢ねえ」

「はい」

そんな会話を交わしているとき、山内が慌てた様子で瞳の肘をつついた。

「えっ?」

いつの間にか、瞳のすぐ前に、藤崎が立っている。

「返却いいですか?」

爽やかな笑みを浮かべた彼に、瞳はうまく答えることができない。

「は、はい・・・・」

数冊の本を返却した彼は、瞳と山内を笑顔で見つめ、館内へと向かった。

「どうしたの、瞳さん。緊張してた?」

「い、いえ・・・・」

その後、しばらくカウンターを訪れる人が続いたが、30分程度で波が収まった。

「私、この本を返してきますね」

「そうね。お願い、瞳さん」

返却された本が、カウンター脇の棚に積まれている。

おおまかに区分すると、瞳はそれを台車に乗せて書棚に向かった。

平日の静かな館内。

瞳はゆっくり台車を進めていった。

何冊かを棚に戻し、瞳が最後に向かったのは、2階奥の西洋文学の書棚だった。

「えっと、これは・・・」

瞳はさりげなく本を手にし、タイトルを見つめる。

「・・・・」

静寂に包まれた館内奥の書棚の陰で、瞳は緊張を感じた。

随分古い本のようだ。

緑色の固い革表紙には、題名がこう記されてあった。

『隷属された淑女、その肉体に秘められた欲求』

瞳は覚えていた。

その本を返却したのが彼であることを。
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