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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第14章 瞳~図書館での出来事
平日の昼間だ。

静寂に包まれた図書館。

2階奥、西洋文学のスペース付近に、人の気配はない。

瞳は、革表紙の古めかしい本をそっと開いた。

細かな字がびっしり並んでいる。

どうやら中世を舞台にした長編小説のようだ。

「講義の題材にでもするのかしら」

瞳は、そんなことを考えながら、ページをぱらぱらとめくった。

時折、ページの合間に古風なタッチのイラストが描かれている。

やがて、その一つに瞳の視線が注がれた。

「えっ・・・」

牢屋のようなスペースに監禁された、一人の若い女性の姿があった。

両手が縛られ、口には猿ぐつわのようなものを巻かれている。

女性の表情が、苦悶で歪んでいる。

高貴なドレスの胸元がはだけ、乳房の深い谷間が覗いている。

息をのみ、瞳は周囲を見回した。

誰もいない。

棚の陰に隠れるように立ち、瞳はその文章を追った。

そこには、初めて見るような表現が並んでいた。

拘束の闇、囚われた王妃、激しい拷問・・・・

未知の快楽で濡れた王妃の肉体が、やがて、隣国の兵士のたくましき肉塊に・・・・

凌辱の時間、漏れ始める王妃の禁じられた息遣い・・・・

あっ・・・・

「すみません」

「はいっ・・・・」

突然背後から声をかけられ、瞳は思わず声をあげた。

「この本を探してるんですけど、どの辺かしらね」

中年の女性が笑顔で瞳を見つめている。

「えっと、こちらだったかと・・・・」

手にしていた本を慌てて棚に戻し、瞳は彼女が差し出すメモを見た。

そして女性の案内を終えると、そのままカウンターに戻った。

「時間かかったわね、瞳さん」

心配げな様子で山内が声をかけてくる。

「場所がわかりづらい本があって。それと、お客様の案内も」

「ねえ、少し早いんだけど、お昼行っていいかしら。友達と待ち合わせなのよ」

「勿論です」

「じゃあ、あとはお願いね」

足早に去っていく山内を見つめながら、瞳は感じていた。

激しく高鳴っている鼓動。

汗ばんでしまうほどに、熱を帯びた躰。

息遣いさえ乱れている気がする。

あの本のイラスト、そして文章が、瞳の脳裏に深く刻み込まれている。

あんな本を、藤崎さんは・・・・

無意識のうちに、瞳は目の前にあるパソコンを見つめた。

そこには、来館者全ての利用記録が保存されている。
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