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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第14章 瞳~図書館での出来事
「司書たる者、利用者の個人情報を見るのはご法度」

いつだったか、山内にそう言われたことを、瞳は思い出す。

カウンターには、今、瞳が座っているだけだ。

来館者も周囲にはいない。

いけないわ、こんなこと・・・・

良心がささやくのを感じながら、瞳は好奇心を制御することができなかった。

さりげない表情を装い、端末を開いた。

今日、返却された本を検索する。

あの本は、すぐに見つかった。

これを返したのは・・・・

そして、瞳は彼のデータにたどり着く。

藤崎英俊、というのが、彼の名前だった。

年齢は54歳。

職業は、市内にある女子大学の文学部教授、と記録されている。

但し書きに「中世神秘思想研究」とあった。

「中世神秘思想・・・・」

瞳は、先刻の本を思い出し、肢体を熱くした。

駄目っ、これ以上は・・・・

再び、良心の声が聞こえる。

しかし、瞳の指先は動き続けた。

藤崎の過去の利用実績を画面上に開く。

「・・・・」

瞳は緊張と共に、息をのんだ。

一般的なタイトルの本の中に、ところどころ、意味深な言葉がある。

監禁された王妃の告白・・・・

貴族たちの性の戯れ・・・・

さらわれた妃が辿った数奇な運命・・・・

この図書館にこんな本があることを、瞳は勿論知らなかった。

鼓動が再び激しく高鳴る。

あの本に描かれていた、縛られた女性の姿を、瞳は思い出す。

隣国の兵士のたくましきものに・・・・

瞳はカウンターの中で、うつむいたまま美しい顔を僅かに歪ませた。

「いいですか?」

彼の声に気付いたのは、しばらくの後だった。

「は、はい?」

目の前に、藤崎がいた。

「大丈夫ですか。気分でも悪いんじゃ?」

「い、いえ・・・・。す、すみません、貸出、ですね」

「ええ」

瞳は慌てて本を受け取り、タイトルを見ないまま、バーコードを読み取った。

「返却は2週間後です・・・・」

動揺する瞳の表情を、藤崎は穏やかな瞳で見つめる。

瞳は恥ずかし気にうつむいた。

私が何をしていたのか知っているんじゃ・・・・

「違うんです・・・・」

瞳のその言葉を制するように、彼が言った。

「ご自宅でゆっくりお読みになってください」

瞳があの棚に戻したはずの本を、彼がカウンターにそっと置く。

そして、彼は静かに図書館を後にした。
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