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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第14章 瞳~図書館での出来事
「あと1週間ねえ」
山内が、感慨深げにつぶやいた。
「寂しくなるわ、瞳さんが辞めたら」
9月半ばになっても暑さが収まる気配はない。
「来館者には瞳さんファンが結構いたんだから」
「えっ?」
瞳の表情にかすかな緊張が浮かんだことに、山内は気づかない。
「利用者が減っちゃうわよ、瞳さんがいなくなったら」
「そんなことないですよ」
笑みを浮かべながら、瞳は目の前のPCを見つめた。
だが、瞳の心は仕事以外のものに奪われている。
「会いたいでしょう、早く」
「えっ? 誰にですか?」
戸惑ったように声をあげた瞳に、山内がおかしそうに笑う。
「誰にって、やあねえ、ご主人に決まってるでしょう」
「あっ、はい・・・・」
「新婚早々別居だもんね。彼も待ってるわよ、瞳さんを」
意味深に笑う山内を見つめながら、瞳はまだ、別のことを考えている。
夏が始まって間もない頃。
館内2階奥、西洋古典文学の書棚。
秘密のスペースで、彼にされた行為の一部始終。
それは、若い人妻の肉体に、今なお、深く刻み込まれている。
それどころか、日が経つにつれて、濃密に瞳を支配しつつあった。
初めて知った狂おしいほどの快楽。
あれ以来、毎晩、瞳はベッド上でそれを想起し、良心と誘惑の狭間で苦悶している。
あの瞬間、意識を失うほどの興奮に包まれた瞳。
気づいたとき、彼は姿を消していた。
その後、瞳の前には一度も姿を見せてはいない。
もう会うことはないのだ。
そう言い聞かせながらも、瞳はどこかで想いを捨てることができずにいる。
もう一度、藤崎さんに・・・・。
いけないわ。
夫との新生活に集中するのよ、私は。
瞳は密かな葛藤を抱えたまま、その日も仕事に取り組んだ。
やがて、閉館時間が近づいた頃、山内が申し訳なさそうに声をかけた。
「瞳さん、悪いんだけど、明日、一人で大丈夫?」
「えっ?」
「閉館担当、私、急に都合が悪くなっちゃって」
閉館担当。
閉館後、館内を一周し、異常がないかを確認する。
本の整理等残務処理を行い、図書館を完全に施錠する業務だ。
通常二人で担当し、明日は山内と瞳のシフトであった。
「私、一人で大丈夫です。もう慣れてますから」
「ごめんね。じゃあ、お願い」
その時の瞳に、明日何が起こるのか、勿論わかるはずもなかった。
山内が、感慨深げにつぶやいた。
「寂しくなるわ、瞳さんが辞めたら」
9月半ばになっても暑さが収まる気配はない。
「来館者には瞳さんファンが結構いたんだから」
「えっ?」
瞳の表情にかすかな緊張が浮かんだことに、山内は気づかない。
「利用者が減っちゃうわよ、瞳さんがいなくなったら」
「そんなことないですよ」
笑みを浮かべながら、瞳は目の前のPCを見つめた。
だが、瞳の心は仕事以外のものに奪われている。
「会いたいでしょう、早く」
「えっ? 誰にですか?」
戸惑ったように声をあげた瞳に、山内がおかしそうに笑う。
「誰にって、やあねえ、ご主人に決まってるでしょう」
「あっ、はい・・・・」
「新婚早々別居だもんね。彼も待ってるわよ、瞳さんを」
意味深に笑う山内を見つめながら、瞳はまだ、別のことを考えている。
夏が始まって間もない頃。
館内2階奥、西洋古典文学の書棚。
秘密のスペースで、彼にされた行為の一部始終。
それは、若い人妻の肉体に、今なお、深く刻み込まれている。
それどころか、日が経つにつれて、濃密に瞳を支配しつつあった。
初めて知った狂おしいほどの快楽。
あれ以来、毎晩、瞳はベッド上でそれを想起し、良心と誘惑の狭間で苦悶している。
あの瞬間、意識を失うほどの興奮に包まれた瞳。
気づいたとき、彼は姿を消していた。
その後、瞳の前には一度も姿を見せてはいない。
もう会うことはないのだ。
そう言い聞かせながらも、瞳はどこかで想いを捨てることができずにいる。
もう一度、藤崎さんに・・・・。
いけないわ。
夫との新生活に集中するのよ、私は。
瞳は密かな葛藤を抱えたまま、その日も仕事に取り組んだ。
やがて、閉館時間が近づいた頃、山内が申し訳なさそうに声をかけた。
「瞳さん、悪いんだけど、明日、一人で大丈夫?」
「えっ?」
「閉館担当、私、急に都合が悪くなっちゃって」
閉館担当。
閉館後、館内を一周し、異常がないかを確認する。
本の整理等残務処理を行い、図書館を完全に施錠する業務だ。
通常二人で担当し、明日は山内と瞳のシフトであった。
「私、一人で大丈夫です。もう慣れてますから」
「ごめんね。じゃあ、お願い」
その時の瞳に、明日何が起こるのか、勿論わかるはずもなかった。