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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第15章 礼子~夫の部下達との一夜
「仕事のほうが楽かもな」
郊外の駅を降りた二人、石野と片平は肩を並べて歩いていた。
駅前の商店街は多くの人でにぎわっている。
土曜日の午後4時過ぎ。
花火大会の時間には少し早い。
だが、会場から最寄りとなるその駅前には既に人だかりがあった。
浴衣姿の老若男女。
梅雨の明けた夏空が、群衆を包んでいた。
隣を歩く1年後輩社員の片平に、石野がそう声をかけた。
「そうですよね。いったい何をすればいいのか」
二人は半袖の開襟シャツにデニム、或いはチノパンと、カジュアルな装いだった。
片平がぶらさげている紙袋には、高級ワインが2本あった。
「夕方5時頃に二人が行くと言ってある」
昨日、桐嶋は二人にそう告げた。
「滅多に酒は飲まないが、妻は昔はワインが好きだった」
桐嶋はそう言った後、軽く笑みを浮かべ、二人を励ました。
「妻を一晩楽しませてやってくれ」
上司の期待が、今、二人に妙な負担となってのしかかっている。
「石野さん、何だか緊張しますね」
「俺もだよ。どんな展開になるのか、まるでわからない」
「花火大会にお連れして、早々に失礼させてもらうわけには」
「俺もそれがいいと思うが。どうだろう、奥様次第ってところか」
「部長はあんな風に言ってましたからね」
人ごみをかき分けるように歩きながら、二人は上司の言葉を思い出す。
妻に女としての楽しみを思い出させたい、という一人の夫の願望を。
「石野さんはどう感じましたか、部長の言葉の意味を」
「どうって?」
「つまり、部長がぼくたちに何を期待されているのか、実際のところ」
駅から遠ざかるにつれて、少しずつ人の数が減ってくる。
住宅街に入った後も二人は会話を続けた。
「俺たちがやれることとやれないことがあるからな」
「ええ」
「部長の奥様だ。他の女性とは訳が違う・・・。だがな」
「えっ?」
「部長はまさにそれを俺たちに期待しているような気もする」
「僕もずっとそれが引っかかってるんです」
教えてもらった住所を頼りに、細い区画を何度か曲がる。
やがて、二人は瀟洒な造りの一軒家の前に来た。
玄関付近には丁寧に鉢植えが整備され、幾種類もの花が並んでいた。
桐嶋という表札が見えた。
郊外の駅を降りた二人、石野と片平は肩を並べて歩いていた。
駅前の商店街は多くの人でにぎわっている。
土曜日の午後4時過ぎ。
花火大会の時間には少し早い。
だが、会場から最寄りとなるその駅前には既に人だかりがあった。
浴衣姿の老若男女。
梅雨の明けた夏空が、群衆を包んでいた。
隣を歩く1年後輩社員の片平に、石野がそう声をかけた。
「そうですよね。いったい何をすればいいのか」
二人は半袖の開襟シャツにデニム、或いはチノパンと、カジュアルな装いだった。
片平がぶらさげている紙袋には、高級ワインが2本あった。
「夕方5時頃に二人が行くと言ってある」
昨日、桐嶋は二人にそう告げた。
「滅多に酒は飲まないが、妻は昔はワインが好きだった」
桐嶋はそう言った後、軽く笑みを浮かべ、二人を励ました。
「妻を一晩楽しませてやってくれ」
上司の期待が、今、二人に妙な負担となってのしかかっている。
「石野さん、何だか緊張しますね」
「俺もだよ。どんな展開になるのか、まるでわからない」
「花火大会にお連れして、早々に失礼させてもらうわけには」
「俺もそれがいいと思うが。どうだろう、奥様次第ってところか」
「部長はあんな風に言ってましたからね」
人ごみをかき分けるように歩きながら、二人は上司の言葉を思い出す。
妻に女としての楽しみを思い出させたい、という一人の夫の願望を。
「石野さんはどう感じましたか、部長の言葉の意味を」
「どうって?」
「つまり、部長がぼくたちに何を期待されているのか、実際のところ」
駅から遠ざかるにつれて、少しずつ人の数が減ってくる。
住宅街に入った後も二人は会話を続けた。
「俺たちがやれることとやれないことがあるからな」
「ええ」
「部長の奥様だ。他の女性とは訳が違う・・・。だがな」
「えっ?」
「部長はまさにそれを俺たちに期待しているような気もする」
「僕もずっとそれが引っかかってるんです」
教えてもらった住所を頼りに、細い区画を何度か曲がる。
やがて、二人は瀟洒な造りの一軒家の前に来た。
玄関付近には丁寧に鉢植えが整備され、幾種類もの花が並んでいた。
桐嶋という表札が見えた。