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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第16章 奈穂子~無人島での出来事
3月の心地よい日差しを浴び、将吾は週末の街にいた。
郊外のショッピングモール。
将吾はここで彼女と待ち合わせをしている。
少し前に交際を始めた、同じ大学の同級生。
自分に彼女ができるなんて・・・・
あの夏、自分は確かに変わった。
自分を大人へとしてくれた人妻。
あれ以来、奈穂子とは会っていない。
奈穂子さん・・・・
将吾は甘い思い出に一瞬浸り、恋人の待つカフェへと急いだ。
「賑わってるなあ」
モール中央の広場では、旅行イベントが開催されているようだった。
「あれは・・・」
大きく掲げられた写真と島の名前。
無人島への一日ツアー。
シュノーケリングと白砂のビーチ。
それは、まさに将吾が昨年の夏、訪れたエリアだった。
複数のスタッフがビラを配ったり、ビデオを見せたりしている。
「こんにちは」
法被姿の男が、笑顔で近づいてきた。
彼を見つめた直後、将吾は足を止めた。
「この夏は南の島に旅行しませんか?」
「・・・・」
「これが無人島です」
「・・・・」
「私はここで生まれ育ったんです。いいところですよ」
「ご、ごめんなさい」
足早に立ち去る将吾。
若者を見送りながら、法被姿の男は密かに笑みを浮かべた。
激しく鼓動を高め、将吾は駆け出した。
そのときだった。
「あら、将吾君じゃない!?」
向こうから歩いてくる夫婦の姿。
奈穂子が夫の腕にすがったまま、笑みを浮かべている。
「将吾君、久しぶり。旅行以来じゃない?」
「奈穂子さん・・・・」
まさか、こんなところで・・・・
「元気してた?」
奈穂子の表情は以前以上に明るく、美しかった。
「将吾君、急いでるのかい?」
助け舟を出すように、奈穂子の夫が声をかけた。
「実は彼女と待ち合わせしてて」
「あら、将吾君、デートなの?」
奈穂子が嬉しそうに笑った。
「え、ええ」
「だったら早く行きなさい。また今度ゆっくり話しましょう」
「すみません、じゃあ」
「連絡してね」
奈穂子にうなずきながら、将吾は再び駆け出した。
遠くまで行った後、将吾は振り返った。
奈穂子と夫が中央広場に向かっている。
旅行フェアをやっている場所だ。
奈穂子さん、行っちゃ駄目・・・・
法被を着たあの漁師が、奈穂子に近づくのが見えた。
<第16章 完結>
郊外のショッピングモール。
将吾はここで彼女と待ち合わせをしている。
少し前に交際を始めた、同じ大学の同級生。
自分に彼女ができるなんて・・・・
あの夏、自分は確かに変わった。
自分を大人へとしてくれた人妻。
あれ以来、奈穂子とは会っていない。
奈穂子さん・・・・
将吾は甘い思い出に一瞬浸り、恋人の待つカフェへと急いだ。
「賑わってるなあ」
モール中央の広場では、旅行イベントが開催されているようだった。
「あれは・・・」
大きく掲げられた写真と島の名前。
無人島への一日ツアー。
シュノーケリングと白砂のビーチ。
それは、まさに将吾が昨年の夏、訪れたエリアだった。
複数のスタッフがビラを配ったり、ビデオを見せたりしている。
「こんにちは」
法被姿の男が、笑顔で近づいてきた。
彼を見つめた直後、将吾は足を止めた。
「この夏は南の島に旅行しませんか?」
「・・・・」
「これが無人島です」
「・・・・」
「私はここで生まれ育ったんです。いいところですよ」
「ご、ごめんなさい」
足早に立ち去る将吾。
若者を見送りながら、法被姿の男は密かに笑みを浮かべた。
激しく鼓動を高め、将吾は駆け出した。
そのときだった。
「あら、将吾君じゃない!?」
向こうから歩いてくる夫婦の姿。
奈穂子が夫の腕にすがったまま、笑みを浮かべている。
「将吾君、久しぶり。旅行以来じゃない?」
「奈穂子さん・・・・」
まさか、こんなところで・・・・
「元気してた?」
奈穂子の表情は以前以上に明るく、美しかった。
「将吾君、急いでるのかい?」
助け舟を出すように、奈穂子の夫が声をかけた。
「実は彼女と待ち合わせしてて」
「あら、将吾君、デートなの?」
奈穂子が嬉しそうに笑った。
「え、ええ」
「だったら早く行きなさい。また今度ゆっくり話しましょう」
「すみません、じゃあ」
「連絡してね」
奈穂子にうなずきながら、将吾は再び駆け出した。
遠くまで行った後、将吾は振り返った。
奈穂子と夫が中央広場に向かっている。
旅行フェアをやっている場所だ。
奈穂子さん、行っちゃ駄目・・・・
法被を着たあの漁師が、奈穂子に近づくのが見えた。
<第16章 完結>