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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第17章 千鶴~相撲部屋の美しき女将
「磯野川部屋」
巨大な木版に達筆で書かれたその名前を見て、若者は鼓動を高めた。
「ここが俺の生きる場所だ・・・・・」
春の日差しがこぼれる中、浦松鉄平は力強く拳を握りしめる。
15歳の春。
中学を卒業すると同時に、鉄平は角界に飛び込むことを決意した。
「どうや、帰るなら今やで」
故郷にまで迎えに来てくれた部屋付きの親方が、背後から声をかける。
「いえ。自分、そんなつもりはないですから」
「そやろな。家族も恋人も皆振り切ってきたんやからな」
「恋人なんかじゃありません・・・・」
「なんや、おまえ、まだ童貞か?」
「えっ?」
「15歳じゃそりゃそうか」
背中を押され、鉄平は玄関に足を踏み入れた。
もう戻れない。
鉄平はそう思いながら、同時にこう誓った。
戻るものか。関取になるまでは・・・
「ここでしばらく待っときや」
鉄平は緊張したまま、玄関に立ち続けた。
土の匂いがする。
土俵だ。
俺が命を懸ける場所が、ここにある。
「鉄平、土の匂いがする力士になるんじゃ」
故郷の祖父が別れ際に告げた言葉を、鉄平は今噛みしめている。
そのとき。
「あら、随分小さいわねえ」
奥から和服姿の一人の女性がゆっくりと姿を現した。
女将さんだ・・・・・。
「あ、あの、自分は浦松鉄平で、えっと・・・・・」
「そんなことわかってるわよ。身長、体重はいくつかしら」
「178センチ、体重は70キロです」
「うそ、65キロってとこでしょう?」
図星だった。
67キロ以上でなければ、新弟子検査をクリアすることができない。
「まあ、水を飲めば大丈夫かしらね」
「・・・・」
「筋肉はそこそこあるようね。鍛えがいがあるわ」
鉄平は緊張と恥ずかしさで何も言うことができなかった。
それに、体にはそこそこ自信があったのだ。
出鼻をくじかれた感じだった。
それも女将さんに・・・・。
「ほら、そんなとこで突っ立ってないで、ついてらっしゃい」
「えっ?」
「親方に挨拶してもらいます」
「は、はい!」
鉄平は慌てて靴を脱ぐと、廊下を行く女将の後を追った。
15歳の春。
浦松鉄平は、磯野川部屋の美しき女将、千鶴とこうして出会った。
巨大な木版に達筆で書かれたその名前を見て、若者は鼓動を高めた。
「ここが俺の生きる場所だ・・・・・」
春の日差しがこぼれる中、浦松鉄平は力強く拳を握りしめる。
15歳の春。
中学を卒業すると同時に、鉄平は角界に飛び込むことを決意した。
「どうや、帰るなら今やで」
故郷にまで迎えに来てくれた部屋付きの親方が、背後から声をかける。
「いえ。自分、そんなつもりはないですから」
「そやろな。家族も恋人も皆振り切ってきたんやからな」
「恋人なんかじゃありません・・・・」
「なんや、おまえ、まだ童貞か?」
「えっ?」
「15歳じゃそりゃそうか」
背中を押され、鉄平は玄関に足を踏み入れた。
もう戻れない。
鉄平はそう思いながら、同時にこう誓った。
戻るものか。関取になるまでは・・・
「ここでしばらく待っときや」
鉄平は緊張したまま、玄関に立ち続けた。
土の匂いがする。
土俵だ。
俺が命を懸ける場所が、ここにある。
「鉄平、土の匂いがする力士になるんじゃ」
故郷の祖父が別れ際に告げた言葉を、鉄平は今噛みしめている。
そのとき。
「あら、随分小さいわねえ」
奥から和服姿の一人の女性がゆっくりと姿を現した。
女将さんだ・・・・・。
「あ、あの、自分は浦松鉄平で、えっと・・・・・」
「そんなことわかってるわよ。身長、体重はいくつかしら」
「178センチ、体重は70キロです」
「うそ、65キロってとこでしょう?」
図星だった。
67キロ以上でなければ、新弟子検査をクリアすることができない。
「まあ、水を飲めば大丈夫かしらね」
「・・・・」
「筋肉はそこそこあるようね。鍛えがいがあるわ」
鉄平は緊張と恥ずかしさで何も言うことができなかった。
それに、体にはそこそこ自信があったのだ。
出鼻をくじかれた感じだった。
それも女将さんに・・・・。
「ほら、そんなとこで突っ立ってないで、ついてらっしゃい」
「えっ?」
「親方に挨拶してもらいます」
「は、はい!」
鉄平は慌てて靴を脱ぐと、廊下を行く女将の後を追った。
15歳の春。
浦松鉄平は、磯野川部屋の美しき女将、千鶴とこうして出会った。