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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第17章 千鶴~相撲部屋の美しき女将
「黙れ、こわっぱ!」
「こ、こわっぱ?」
若葉の一喝に、土手の上にいる剛田はひるんだ。
「あんたたちより鉄平君のほうがはるかに強いわ!」
「そ、そりゃあ・・・・」
「鉄平君はお相撲さんになると言ったらなるの! わかった!?」
若葉の剣幕に、隣に立つ鉄平も圧倒されている。
「おい、鉄平、あきらめるなら今だぜ!」
そう叫んだ後、剛田たちは自転車に乗って走り去った。
「ふん、あんなこと言ってさ」
若葉はそうつぶやき、再び鉄平に並んで草の上に座った。
二人はしばらく黙って川面を見つめた。
鉄平が言った。
「さっきの本気?」
「何が?」
「だから、俺が相撲取りになれるって」
「そんなこと、思ってないわ・・・・」
「・・・・」
「思ってないけど・・・・、鉄平君、行っちゃうんだもん・・・・」
若葉はうつむいたまま、しくしくと泣き始めた。
男勝りなくせに、案外、涙もろいところがある女子なのだ。
「泣くなよ、若葉」
再び、鉄平は若葉の小さな肩に手をまわした。
「行っちゃやだ・・・・」
泣きじゃくりながら、若葉は鉄平の胸に飛び込んできた。
「お、おい・・・・」
こんなとき、どうすればいいのか。
鉄平にはまだわからない。
どうすることもできず、ただ、若葉の体をそっとさすった。
「泣くなよ」
「やだ、ずっと泣いてやるんだから・・・・」
言葉通り、泣き続ける若葉。
鉄平の胸元が、若葉の涙で濡れる。
顔を埋めたまま、若葉がそっと言った。
「剛田君もさっき泣いてたよ」
「えっ?」
「鉄平君にここにいてほしいのよ、あいつだって」
その言葉をしばらく噛みしめ、そして鉄平は若葉の顔をあげた。
「みんなのために、俺はやる」
「鉄平君・・・・」
「絶対に関取になって、そのときは」
「そのときは?」
若葉のことを見つめたまま、鉄平はきっぱり言った。
「若葉のことを迎えに来る」
「ほんと?」
「約束する」
「証拠を見せてよ」
若葉は涙でくちゃくちゃになった顔のまま、鉄平を見つめた。
子供の頃からの思い出が鉄平の心をよぎる。
若葉が目を閉じた瞬間、鉄平は彼女の唇にぎこちなく、初めてキスをした。
震える手できつく抱きしめ返す若葉の頬に、涙が流れ落ちる。
「きっと迎えに来る」
鉄平は、もう一度ささやいた。
「こ、こわっぱ?」
若葉の一喝に、土手の上にいる剛田はひるんだ。
「あんたたちより鉄平君のほうがはるかに強いわ!」
「そ、そりゃあ・・・・」
「鉄平君はお相撲さんになると言ったらなるの! わかった!?」
若葉の剣幕に、隣に立つ鉄平も圧倒されている。
「おい、鉄平、あきらめるなら今だぜ!」
そう叫んだ後、剛田たちは自転車に乗って走り去った。
「ふん、あんなこと言ってさ」
若葉はそうつぶやき、再び鉄平に並んで草の上に座った。
二人はしばらく黙って川面を見つめた。
鉄平が言った。
「さっきの本気?」
「何が?」
「だから、俺が相撲取りになれるって」
「そんなこと、思ってないわ・・・・」
「・・・・」
「思ってないけど・・・・、鉄平君、行っちゃうんだもん・・・・」
若葉はうつむいたまま、しくしくと泣き始めた。
男勝りなくせに、案外、涙もろいところがある女子なのだ。
「泣くなよ、若葉」
再び、鉄平は若葉の小さな肩に手をまわした。
「行っちゃやだ・・・・」
泣きじゃくりながら、若葉は鉄平の胸に飛び込んできた。
「お、おい・・・・」
こんなとき、どうすればいいのか。
鉄平にはまだわからない。
どうすることもできず、ただ、若葉の体をそっとさすった。
「泣くなよ」
「やだ、ずっと泣いてやるんだから・・・・」
言葉通り、泣き続ける若葉。
鉄平の胸元が、若葉の涙で濡れる。
顔を埋めたまま、若葉がそっと言った。
「剛田君もさっき泣いてたよ」
「えっ?」
「鉄平君にここにいてほしいのよ、あいつだって」
その言葉をしばらく噛みしめ、そして鉄平は若葉の顔をあげた。
「みんなのために、俺はやる」
「鉄平君・・・・」
「絶対に関取になって、そのときは」
「そのときは?」
若葉のことを見つめたまま、鉄平はきっぱり言った。
「若葉のことを迎えに来る」
「ほんと?」
「約束する」
「証拠を見せてよ」
若葉は涙でくちゃくちゃになった顔のまま、鉄平を見つめた。
子供の頃からの思い出が鉄平の心をよぎる。
若葉が目を閉じた瞬間、鉄平は彼女の唇にぎこちなく、初めてキスをした。
震える手できつく抱きしめ返す若葉の頬に、涙が流れ落ちる。
「きっと迎えに来る」
鉄平は、もう一度ささやいた。