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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第17章 千鶴~相撲部屋の美しき女将
男たちの汗が蒸気となり、土の上を漂う。

土俵周辺には20人以上の力士たちがひしめいていた。

「もう一丁!」

鉄平は、ふらふらの体で立ち上がり、土俵中央にいる兄弟子に叫んだ。

幕下力士であるその兄弟子が両手を広げる。

「うおっ!」

鉄平が低い体勢で飛び込んでいった。

だが、あっさり頭をはたかれ、土俵に這わされてしまう。

「ううっ・・・・」

「おい、どけ!」

土俵周辺にいた若手力士たちが、次は俺の番だと、鉄平の体を蹴った。

体重70キロにも満たない鉄平。

筋肉質だが、その肉体はまだあまりに幼い。

「浦松、さっさとどかんか!」

土俵奥の桟敷席中央に座る親方が叫んだ。

入門して半月。

鉄平は、磯野川部屋でもがき始めていた。

磯野川部屋は鉄筋4階建てのビルだ。

関取になれない連中は、皆ここに住む。

鉄平も既に、兄弟子たちと一緒にここで暮らし始めている。

親方夫婦は最上階に住んでいた。

二人に子供はいない。

鉄平の一日が始まるのは、まだ暗いうちだ。

早朝から行われる朝げいこ。

それが終盤になると、女将とちゃんこを作るために台所に行く。

一番下っ端の鉄平が食べられるのは、当然最後。

だいたい昼過ぎだ。

そこから力士たちは自由に過ごす。

夜のちゃんこが終わると就寝となるが、磯野川部屋に門限はない。

外出する力士も少なくなかった。

けいこの厳しさは鉄平の想像以上だった。

「おい、浦松、かわいがってやる」

けいこの終盤、鉄平はいつも兄弟子たちに指名された。

一時、相撲界で問題となった「かわいがり」。

だが磯野川部屋では伝統通り、若手力士をこうして鍛え上げるのだ。

「向かってこんか!」

「おう!」

果てることなく兄弟子にぶち当たり、土俵に這う鉄平。

息が切れ、意識がもうろうとしてくる。

「ほら、立て!」

水をかけられ、飛びそうな意識を戻される。

そしてまた、ぶち当たるのだ。

「もう立てないのか。口ほどにもねえ」

兄弟子たちから失笑が漏れる。

ふざけんな・・・・

そう思っても、体が動かない。

その朝、鉄平は最後に土俵外に吹っ飛ばされ、土に這った。

嘔吐する鉄平を、台所から顔を出した女将が見つめている。

「私の買いかぶりだったようね」

失望する女将の瞳には、しかし、確かな愛情が宿っている。
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