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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第17章 千鶴~相撲部屋の美しき女将
柿本のささやきの意味は、さすがに鉄平にもわかった。

まさか・・・

鉄平は体中が熱くなり、鼓動が高鳴るのを知った。

「うちの女将さん、きれいだろう」

巨体を揺らして座り込んだまま、柿本は話を続けた。

「この部屋の力士はみんな女将さんに惚れてる。浦松、お前もだよな」

図星を指され、鉄平は言葉に詰まった。

「女将さんを抱くことを想像して毎晩自分で何するやつもいる。俺も含めてな」

好色そうに笑う柿本を、鉄平はしかし、軽蔑することはできなかった。

皆、10代か20代前半の若者だ。

鉄平だって、女性に対する欲望は戸惑うほどに持ち合わせている。

それは上京し、女将さんと出会ってから更に増した。

「女将さんだってそんなことは百も承知だ。これは他の部屋の話だが、若手力士のそっちの世話をしてくれる女将さんもいるらしい」

「ほんとですか」

「過去には力士と不倫して駆け落ちした女将さんだっていたんだぜ」

鉄平には柿本がただからかっているだけのような気がしてきた。

何も知らない自分に適当なことを言っているだけだ。

にもかかわらず、それを信じようとする自分もいた。

女将さんにそれをしてもらえる、という言葉が、15歳の若者を惑わせている。

「まあ、うちの女将さんは親方とは仲はいいがな」

「柿本さん、ほんとなんですか、その・・・・」

「前相撲で勝った力士への褒美か?」

「はい・・・」

柿本は鉄平の背を拳で軽く叩きながら言った。

「それはほんとだ」

「じゃ、柿本さんも女将さんに?」

「俺だけじゃない。他の力士だって皆してもらってる」

「・・・・」

「この部屋の儀式みたいなもんだ。みんな隠しているけどな」

立ち上がった柿本が、鉄平を見下ろした。

「最高だぜ、女将さんのテクニックは」

鉄平は嫌な気分になった。

自分だけの女将さんを汚されたような気がする。

「天国と地獄だな、浦松」

「・・・・」

「勝てば一番出世、そして女将さんからの素敵なご褒美。負ければ故郷にUターン。ほら、早く支度しろよ」

柿本はそう言い残し、部屋を出て言った。

残された鉄平は、何を考えていいのかわからなかった。

その夜、鉄平は遅くまで眠りに就くことができなかった。

女将さんのことが頭から離れなかったのだ。

あのスタイル抜群の色っぽい体のことが。
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