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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第17章 千鶴~相撲部屋の美しき女将
鉄平は柿本に向かって突進し、畳に押し倒した。

「兄弟子に反抗するとは、お前、破門覚悟か」

「柿本、少しは懲らしめてやれ!」

周囲にいる兄弟子たちが二人を取り囲む。

関取になれないといっても、皆、相撲取りだ。

どんな建物だって騒ぎは響き渡るだろう。

深夜、磯野川部屋のビル全体が揺れていく。

「いい加減にしやがれ、浦松・・・・」

柿本はやがて体勢を固め、鉄平の首を太い腕で抱えるように挟み込んだ。

「ううっ・・・・」

鉄平は次第に息ができなくなっていく。

柔道の寝技だ。

片手を叩いて降参しようかとも思うが、鉄平のプライドがそれを許さない。

鉄平は我慢できなかった。

自分が騙されたことに、ではない。

女将さんを妙な冗談に巻き込んだことに、鉄平は猛烈に怒っていたのだ。

女将さんのことを汚すんじゃない!

だが、駄目だ。少しずつ意識が遠のいていく。

失神してしまう・・・・

柿本、そして、兄弟子たちの声が小さくなっていく。

鉄平が屈服しかけたときだった。

「あんたたち、何やってるの!」

鋭い声が部屋中に響いた。

意識を失いかけていた鉄平にも、それが誰の声かわかった。

「お、女将さん・・・・」

柿本は瞬時に鉄平を解放すると、他の兄弟子たちと一緒に畳に正座した。

「こんな深夜に暴れるなんて・・・・、あら、浦松まで・・・・」

中央で横になって息を乱している鉄平に気づき、女将は駆け寄った。

「あんたたち、浦松にリンチでもしてたの?!」

「お、女将さん、大丈夫です、俺は」

抱き起こしてくれた女将さんに、鉄平は息も絶え絶えに言った。

「柿本、どういうことなの!?」

女将の詰問に、柿本はうつむいたまま言った。

「浦松の野郎がおかしなことを言うもんだから、見に来たんっすよ」

「おかしなこと?」

「前相撲で勝ったから女将さんに褒美をもらうんだと」

「褒美?」

「つまり、その・・・・」

言い淀む柿本を呆れたように見つめ、女将は言った。

「私と一緒に寝るとかそういうことでしょう?」

やんちゃな息子たちに手を焼くように首を振って、女将は鉄平を見つめた。

「それ、ほんとなの? あなた、私を抱きにここに来たの、浦松?」

強烈な羞恥心が鉄平を襲い、再び我を忘れさせた。

気づいたとき、鉄平は深夜の街に一人飛び出していた。
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