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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第17章 千鶴~相撲部屋の美しき女将
ハアハアハア・・・・

乱れた浴衣姿のまま、鉄平は静まり返った深夜の商店街を駆け抜けた。

どこかの飼い犬が吠えたててくる。

何もかも我慢できなかった。

行く当てなどない。

だけど、とにかく走り続けるんだ。

鉄平は下駄の音を高らかに鳴らしながら、何かから逃げるように駆け続けた。

自分の淫らな欲情を、よりによって、女将さんに知られてしまった。

その事実が15歳の若者をどうしようもなく苦悶させている。

商店街を抜け、住宅が建ち並ぶ細い路地を進んでいく。

こんなところ、警察にでも見つかったら不審者だろうな。

そんな不安を抱きながら、鉄平はやがて、川沿いの堤防にまでやってきた。

無意識のうちに、鉄平はここを目指していた。

堤防はコンクリートで草むらではない。

だが、何だか故郷を思い出させてくれるみたいで、鉄平はたまにここを訪れ、ぼんやり川面を見つめるのが好きだった。

汗だくの鉄平は息を切らして、堤防の上にへたりこんだ。

ハアハア・・・・

見上げれば、故郷とは比較にならないけど、僅かな星が見える。

若葉にもこの星が見れるのかな・・・・

鉄平は、東京に来て初めて強烈に故郷が恋しくなった。

もう、帰ろうか・・・・

固いコンクリートに寝そべり、鉄平はそんなことを思った。

そのときだった。

「探したわよ!」

堤防沿いの道に、自転車にまたがった一人の女性が見えた。

女将さん?!

呆然とする鉄平のそばに、自転車を降りた女将がゆっくり歩いてきた。

「ここが浦松のお気に入りの場所だって、柿本から聞いたから」

鉄平は、柿本がそれを知っていたことに少し驚いた。

女将は鉄平と接するように隣に座った。

Tシャツ、デニムという格好はとても相撲部屋の女将とは思えず、どこかの綺麗な人妻、という感じだった。

「あの子たちにからかわれたんでしょう」

川を見つめながら、女将がやさしげに声をかけてくる。

鉄平は、女将から大人の女性だけが持つ甘い香りを感じ取った。
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