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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第17章 千鶴~相撲部屋の美しき女将
「浦松、低く当たった!」

アナウンサーが叫んだとき、清五郎は拳を握った。

「鉄平、頭をつけろ!」

祖父の声が聞こえているかのように、鉄平は頭をつけて相手に食い下がった。

立ち合いで一気に勝負をつけようとする岩野竜。

「岩野竜、巻き替えた!」

一瞬、浦松にもろ差しを許した岩野竜は、器用に片手を抜き去り、得意の左四つの体勢を狙う。

右上手で浦松のまわしを引くが、左をうまく差し込むことはできない。

それでも岩野竜はがぶりながら鉄平を土俵際まで追い込んでいく。

「鉄平君!」

若葉が叫んだ。

土俵に足をかけながら、鉄平は懸命に踏ん張り、怒とうの寄りをこらえる。

「浦松、残る、残ります!」

場内から大歓声が沸き上がった。

「岩野竜が一気に寄る! 寄った!」

鉄平は弓なりになってそれをこらえると、再び頭をつけ岩野竜を土俵中央まで押し返した。

場内歓声がピークに達した。

「いやあ、北の峰さん」

「よく粘ったねえ、浦松」

両力士が激しく息を乱しながら、やがて土俵中央で静止した。

右上手だけを引き、どんと構える岩野竜。

対する浦松は半身の体勢で深く左手を差し込んだまま、頭を低くつけている。

「鉄平、辛抱じゃ」

清五郎が低い声を漏らした。

1分、そして、2分が経過した。

「北の峰さん、このままでは水が入ります」

「我慢くらべでしょうな」

館内が次第に静寂に包まれていく。

そして、もうすぐ3分になろうとした、そのとき。

しびれをきらした岩野竜が再び強引に前進しようとした。

「今じゃ!」

清五郎の叫びと同時に、鉄平はずっと欲しかった右前みつをついにつかみ、完全に岩野竜の巨体にくいついた。

そして、初めて攻勢に出た。

「なんと浦松が出る、前に出たあ!」

岩野竜が慌て、僅かに腰が浮いた。

そのとき、鉄平はその声、いや叫びを、花道の奥から確かに聞いた。

「浦松、足を狙え!」

柿本さん・・・・

「足を狙うんだ!」

兄弟子の声に従い、鉄平は寄りながら岩野竜に内掛けを仕掛けた。

その直後、館内が大歓声で揺れた。

「内掛けだ! 浦松、見事な内掛け!」

幕内の一番のように座布団が舞う中、鉄平は1人、土俵に立ちあがった。

勝った・・・・

呆然と横たわる岩野竜を見つめ、鉄平は自分が遂に成し遂げたことを知った。
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