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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第22章 佳織〜夫の知らない妻
登山道は前日の大雨のせいか、少しぬかるんでいた。
「佳織、足元に気をつけて」
自分のすぐ後ろを歩く妻、佳織に、芳彦は手を差し伸べた。
「ありがとう。あなた、大丈夫よ」
平日というせいもあって、登山道にはほとんど人影は見当たらない。
上空には真夏の太陽がぎらぎらと輝いている。
都会では聞いたことのないセミの声に囲まれ、芳彦は山道をゆっくり歩いた。
今年45歳になる芳彦。
4歳下の妻、佳織との間には子供はいない。
中堅のシステム開発会社に勤める芳彦。
小さな会計事務所で派遣社員として働く妻、佳織。
互いに多忙であり、二人でゆっくり過ごす時間は普段はほとんどなかった。
「夏休みくらい、ゆっくり過ごしたいな」
夏が始まる前、芳彦は妻にそんな風に聞いてみた。
「どこか地方の森に行ってみたいわ」
「山、か」
「私、登山ってほとんどしたことがないから」
芳彦はいろいろと候補地を探してみた。
結局彼は、これまで一度も行ったことのない地方の温泉地を選んだ。
そこに滞在すれば、周囲に初心者でも登れる山がいくつかありそうなのだ。
「素敵ね。毎日温泉を楽しみながら森の中を歩くなんて」
普段はおとなしく、口数の少ない妻、佳織。
二人が結婚したのは8年前だ。
40歳を超えても、妻の美しさに変わりはなかった。
それは芳彦のささやかな自慢であり、だからこそ、夏休みくらいは妻のことを大切にしたかった。
「楽しみだわ、あなた」
控えめな妻が、珍しくはしゃぐような姿を見せたことは、夫の気分を確かに高揚させた。
二人は小さな温泉宿に連泊し、周囲の自然を満喫する計画を立てた。
「さすがに暑いな。少し休もうか」
朝食後、すぐに宿を出てから、既に2時間近く経過している。
深い森にさしかかり、芳彦は大きな岩の上に荷物を置いた。
頂上に到着後、宿には夕方前には戻る予定である。
荷物と言っても、水と宿に用意してもらった弁当くらいだ。
「森の中は少し涼しいわ」
「そうだね」
「空気がとてもおいしいわ」
木々の隙間から差し込む夏の日差しに、妻の肌は少し汗ばんでいる。
「頂上まであと1時間くらいだと思う」
「私は大丈夫よ、あなた」
はるか上方には真夏の青空が見える。
午後に何が待っているのか、この時の二人は勿論まだ気づいていない。
「佳織、足元に気をつけて」
自分のすぐ後ろを歩く妻、佳織に、芳彦は手を差し伸べた。
「ありがとう。あなた、大丈夫よ」
平日というせいもあって、登山道にはほとんど人影は見当たらない。
上空には真夏の太陽がぎらぎらと輝いている。
都会では聞いたことのないセミの声に囲まれ、芳彦は山道をゆっくり歩いた。
今年45歳になる芳彦。
4歳下の妻、佳織との間には子供はいない。
中堅のシステム開発会社に勤める芳彦。
小さな会計事務所で派遣社員として働く妻、佳織。
互いに多忙であり、二人でゆっくり過ごす時間は普段はほとんどなかった。
「夏休みくらい、ゆっくり過ごしたいな」
夏が始まる前、芳彦は妻にそんな風に聞いてみた。
「どこか地方の森に行ってみたいわ」
「山、か」
「私、登山ってほとんどしたことがないから」
芳彦はいろいろと候補地を探してみた。
結局彼は、これまで一度も行ったことのない地方の温泉地を選んだ。
そこに滞在すれば、周囲に初心者でも登れる山がいくつかありそうなのだ。
「素敵ね。毎日温泉を楽しみながら森の中を歩くなんて」
普段はおとなしく、口数の少ない妻、佳織。
二人が結婚したのは8年前だ。
40歳を超えても、妻の美しさに変わりはなかった。
それは芳彦のささやかな自慢であり、だからこそ、夏休みくらいは妻のことを大切にしたかった。
「楽しみだわ、あなた」
控えめな妻が、珍しくはしゃぐような姿を見せたことは、夫の気分を確かに高揚させた。
二人は小さな温泉宿に連泊し、周囲の自然を満喫する計画を立てた。
「さすがに暑いな。少し休もうか」
朝食後、すぐに宿を出てから、既に2時間近く経過している。
深い森にさしかかり、芳彦は大きな岩の上に荷物を置いた。
頂上に到着後、宿には夕方前には戻る予定である。
荷物と言っても、水と宿に用意してもらった弁当くらいだ。
「森の中は少し涼しいわ」
「そうだね」
「空気がとてもおいしいわ」
木々の隙間から差し込む夏の日差しに、妻の肌は少し汗ばんでいる。
「頂上まであと1時間くらいだと思う」
「私は大丈夫よ、あなた」
はるか上方には真夏の青空が見える。
午後に何が待っているのか、この時の二人は勿論まだ気づいていない。