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放課後は校舎裏で。
第4章 ❀ 変貌
数日後、あたしは真美に手を引かれ
カラオケで行われる合コンに
参加する事になった。
合コンと言っても2対2の少人数だけど
相手の男子は確かにカッコよくて。
「どうしたの?」
真美と、南高の橘君が話しているのを他所に
部屋の隅で足を抱えていると
もう一人の男子、宮城君に話し掛けられた。
「元気ないけど…。もしかして
彼氏にフラれたばっかりとか?」
「…彼氏じゃ、ないです…」
宮城君は橘君と違い少し大人っぽい感じ。
背も高いし、体型もいいし
モテるだろうな…。
「俺は恋愛した事ないからわかんないな」
「…そうなんですか?」
「うん。相談に乗るって言うか…
話だけなら聞いてあげられるよ」
彼はあたしの隣に座ると、どこからか
取り出したチョコを差し出す。
「あの…。ここ、飲食物持ち込み禁止です」
「えっ、本当にっ!?」
ちょっと、天然なところもあるのかな。
でも、優しい人だっていうのが
すごく伝わって来る。
「あ、やっと笑ったね。元気になった?」
「え…」
ニコッと笑う宮城君。
あたしはその笑顔に言葉を失った。
「あっちはあっちで楽しそうだし
俺達も楽しもうよ。ね?」
「…はい…」
先輩はいまごろ、何してるかな?
もう、あたしに呆れちゃったかな。