この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
10年目の恋
第1章 月夜の晩
公園を通りかかったとき、ベンチに若い男の子が座っているのが見えた。
なにやってんの?
ベンチに座り、ぼーっと満月を見ていた。

いつもなら絶対にそんなことしないのに
あたしはゆっくりと近づいて声をかけた。

「なにしてんの?」

その子は目だけをあたしに向けると「月みてんの」と
そっけなく答え、また視線を月に戻した。

「もう10時過ぎたよ。子供はかえんな」

どう見ても高校生らしいその子は
やっと顔ごとあたしに向けて
「家出中なんだよね」と苦笑いした。

「なるほどね」
さして家出中って言葉に気にも止めず、あたしもベンチの隣に腰を下ろす。

「志保は警戒心なさすぎ」

って徹に怒られそうだな。と思いながら顔を上に向けた。
「綺麗だね」
「うん。綺麗だよな」
君の顔もね。という言葉は飲み込んだ。

しばらくその月を眺めていて
そろそろ帰ろうかと腰を上げたとき
「お姉さん。泊めてくれないかな」と
サラリと言った。

「それは無理でしょ」
「猫を拾ったっと思って?」
「デカっっ。猫は無理があるよ」
「じゃぁ、犬?」
「うちのアパート、ペット禁止なんだけど」
「大丈夫。俺鳴かないからバレない」

なるほど。バレないのか。
と、ちょっぴり論点がずれている内容に感心し
気持ちが少し揺らいだ。





/29ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ