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最後まで
第10章 地上―ミルム―
アイクやジルに聞かされた、ミルムの生い立ちをサシャはここで初めて知った。
話を聞くにつれ血の涙を流し、サシャの顔は感情を無くしていく。
「私達も気が狂いそうだったわ。」
アーラミとカミアも凍りつきそうな表面である一点を見つめる。
視線の先には、都市でも指折りの豪邸がある。
ミルムが買われた家だった。
『マズハ…アノオンナカラ…』
地を這うような低い声で、アーラミは唸る。
サシャの広角が凶悪に歪んだ。
それを合図に三人の姿は上空から無くなった。