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最後まで
第11章 ―シオン―
一方、『シオン』の娘トリリー
『イツル』の娘ナイムウォール
『ムルル』の娘ハンザーは広大な平地に立っていた。
「ここは昔、戦場だったのよね…。」
トリリーはしゃがんで黒い砂をサラサラと風に乗せた。
「母様が生まれた場所…【ジャンカッテゥン】」
何もない広大な土地を見回しながらナイムウォールが呟く。
「ジル様が無に返して下さった…のに!」
ハンザーはある一点を睨んだ。
広大な平野の遥か向こう側で、土煙が立ち上っている。
そこは、隣国との国境。
そこで未だ、争いが行われていた。