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第12章 ―イツル―

トリリー、ナイムウォール、ハンザーはある屋敷の屋根にいた。

「チーチュー家ね。レイミーはまだ居るのかしら？」

ハンザーの問いにトリリーは頷く。

「あいも変わらず、少女を苛めているわ。」

ヘドがでる。と眉をつり上げる。

「まぁ、もっぱら最近は奴隷みたいよ。」

ナイムウォールは肩をすくめ

「行きましょう」

と二人を促し屋敷に侵入した。

屋敷は天井裏に梁を巡らせた造りをしており、三人はそこを難なく進んでいく。

ある部屋の真上に来たとき、先導していたナイムウォールが止まった。

「ここね。」

人差し指を唇にあて、合図を送る。