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最後まで
第15章 シュー
「まだかな…。」
「母様…なにか言いました?」
ポツリと呟いたミルムに部屋に来ていたアドが顔を向ける。
アイク達に言われ、母達の浄化に訪れていた。
「ん、何でもない。」
アドはふっと笑い、ココアの入ったカップをミルムに差し出す。
「アイク様とジル様が心配しておられますよ。
たまには、お部屋から出られないと…。」
「ん…」
心配そうに見つめてくるが、ミルムの心は違う事を考えていた。
―シュー…。
風呂での別れ際、訳あってシューの事は秘密だと言われた。
シューとの約束を守り、シューが来るのを待っていたのだ。
ところが、やって来たのはアドだった。
気を使ってくれているのも分かるが、やはりミルムはシューに我が子に会いたい。