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最後まで
第15章 シュー
シューは、力を抜くとサシャの前に座り込む。
虚ろなサシャの目の前に手を翳すと小さく詠唱した。
シューの手がぽぅっと輝き、光がサシャの中に吸い込まれた。
―なんか、暖かいのが入ってきた。
サシャがぼんやりそう思った時、シューの記憶が流れ込んできた。
シューの正体や、ミルムへの思い。そして、アイクやジルの思惑。
「あ…」
サシャが声を漏らした時、体の中に膨大な力が沸き上がって来るのを感じた。
「はっ…はっ!」
サシャの息が荒くなりパニックに陥る。
―やっなに?この力は!怖い!
サシャは過呼吸のように息が吸えなくなる。
―やっ助けて!!
「あ゛…あ゛…」
どうしていいか分からず、必死にシューにすがり付く。