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最後まで
第4章 三人目
男は小さくため息をつき、少女を見据えた。

「先ずは自己紹介。おれはジル。死神だ。」

瞬時に気温が下がったかと思った。

―し、死神…?

少女は本能で怯えた。
ジルと名乗る男の目は、自分は絶対に勝てないとそう言っている。

彼女は、野生で育ち獣の本能を持ち合わせていた。
強いものは、本能で分かる。

危険、危険、危険。

全身が毛羽立つ。
身体が硬直する。
敵わない。
絶対に。

危険信号が、警告音が頭の中を駆け巡る。

「驚いたよ、君が崖から降って来たときは!」

両手を広げて、大げさなポーズを取りながらジルは出会った経緯を語った。

「帰る途中でたまたま君を見つけてね、家に連れて行っても良かったけど、君に汚されたからね。ここでシャワーを借りたよ。」

さも、可笑しそうに肩を竦める。

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