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最後まで
第5章 四人目
安らかな寝顔だった少女の顔が僅かに歪む。

アイクは構わず、自身の血を塗り込むように擦り始めた。

「…はっ」

少女が小さく息を吐き出す。

アイクはそのまま、長い舌で血液を舐めとる。

チュプ…ピチャッ

少女の中では相変わらずアイクの指が蠢き、少女自らの泉と混ざりあった赤がシーツにシミを広げ始めていた。

アイクの舌が少女の額まで到達したとき、少女が薄く目を開いた。

「…!!」

異様に長い舌を出した男。
先ほどとは打って変わって光のない瞳。
額からはどす黒い棘が突き出て、美しく顔がその異形さをより不気味に魅せている。

「起きたか…」

少女に気付いたアイクが、ユルリと離れる。

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