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最後まで
第1章 一人目
―なんでわかるのだろう。

「一瞬強ばったからね。」

考えていたことがわかったのか、身体を起こしながら彼は言った。

「君は今の自分の状況が特殊だと、理解しているよね?」

コクン

「度胸があるのか…ずいぶんと落ち着いている。不安じゃないのかい?」

「…」

どうだろう。
そう聞かれると、落ち着きすぎていると思う。
なにも返事をせずに天井を見つめていると、体に違和感を感じた。

「…ん」

思わず身を捩る。

わたしの胸を触れるか触れないかギリギリのところでシーツごしに彼がなぞっていた。

「薄い布は体の線がハッキリでるね。ほら、見えるかな?」

言われて目を伏せると、ツンと角が立っていた。
わたしの視線に合わせて、ほらここだよ。と教えるように彼の指が角の尖端をつつく。

その瞬間、ジンッとした痺れが身体を這った。

突起を転がすように指を小さく回す。そのたびに味わった事のない痺れが手足まで広がる。

「…ぁぅ」

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