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Last Kiss
第2章 10年前に死んだヒト
それからは何も変化がなくまた時間だけが過ぎていくうちに、私はいつの間にか寝てしまっていた。
床暖房をつけていないフローリングではない暖かさが私を夢の中に深く落としていく。
"…おやすみ凛音、また明日"
ロンの甘える声が聞こえた気がした。
朝、小鳥のさえずりで目を覚ましたなんて初めてだったと思う。
「……こんな日に限って…!ヤバっ」
そう、今日はお昼から外に仕事をしに行く、委員会の集まりに参加する。その用意を帰ったらするはずだったのに昨日寝てしまったから…!
焦って資料をちゃんと探しあてることができない。昔の新聞紙をひっくり返したりしても資料は出てこなかった。
もう諦めて長谷川さんにコピーさせてもらおうと決め、部屋を出て学校へと向かった。
"いってらっしゃい凛音…今日だけだからね、お仕事頑張って"
玄関でまたロンが鳴いた。