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梨華との秘密
第4章 娘との日々
 三奈が少し考える風に、アゴに左手の指先をあてながら、


「う~ん、そう言われればそうねぇ。それに、梨華もなついちゃったみたいだし。」


「遠慮しなくてもいいよ。それに、ママは梨華のママだし。梨華は俺の娘だからね。ふふっ。」


 どやっ?
 あかん、かな?
 ん?
 三奈の目が笑ってるぞ?
 大丈夫かな?


「そうね。それって変な噂立てられても、その噂を利用するって感じ?オモシロ~イ!いいわね。うふっ。」


 やった!
 いや、まてよ?
 あかん、三奈が誤解する!
 いや、すでに誤解してるか?


「うん、その方が嘘っぽくないしな。それに、堂々と行き来できるしね。ふふっ。」


「梨華も待つ時間が、少なくてよくなるのかしら?パパの仕事の都合もあるでしょうし。」


 テーブルの上の料理に箸をつけながら、三奈の質問は核心をついてきた。


「あぁ、それは大丈夫だな。来月から倉敷に変わるし、窓際族になったから、定時で帰ってこられるんだ。」


 三奈の顔に驚きと、疑問が浮かんだ。


「えぇ、窓際って!?ほんと?うそっ?!」


 あらま、ビックリしちゃってるよ。
 ショックって、感じじゃないよな。
 おい、あかん三奈は、その気だ。


「あぁ、同期もルートがそれぞれわかれて、まっ、俺は窓際ルートってヤツだな。クビにはならんから、大丈夫さ。」


「そうなんだぁ。でも、いいかも。梨華と私のためには。お味噌汁、美味しい。これ、おばさんの味ね。」


 三奈の顔が半ばあきらめ、半ば期待の目で俺を見つめてきた。
 やばい、どうする?
 ん?
 梨華のヤツも期待の目で見てるぞ。
 くそっ、小悪魔め!
 ん?
 そうか!
 面白いぞ。


「うん、おふくろの味がベースだからね。そのうち、教えてあげようか、ママ?」


 三奈の顔に驚きと嬉しさが、入り交じった感情が浮かんだ。


「ん?へっ?嬉しい。是非お願い、私、おばさんのお味噌汁大好きだったの。」


 梨華が聞き耳を立てるように、動きが止まっていた。


「うん、ママの都合のいい時にね。レシピは書いておこうか?その方がわかりやすいからね。ふふ。」


「嬉しい、お願い!」


 やった、よし!
 梨華がどう動くか、楽しみだ。
 待てよ?
 梨華になにを期待してんだ?
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