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梨華との秘密
第2章 プロローグ
 俺は、不意討ちを喰らったボクサーのような感じがしたが、


「梨華さんだったね。俺は、君のお父さんじゃないんだから、パパはやめてくれないか?それに俺は、まだ独身だしな。」


 梨華の顔が少し曇ったような気がした。


「ごめんなさい。パパが居なくなってから、パパって呼べる人に初めてあったから。」


 悪いことを聞いちまったぁ。
 なんて考えてたら、電車が駅に入って来ていた。
 並んで乗り込み、隣同士に座った。


「そうやったんや、ごめんな知らなくて。パパは生きてんの?」


 また、間抜けたことを、バカっ!


「ううん、いいの。私のパパは生きてるわ。ただ、今は別の女の人と別の子がパパって、言ってるわ。」


 梨華の瞳に悲しみの色が浮かんでいた。
 なんとかしなきゃ、なんとか?
 ん?
 なんだ、あったかい?
 えっ、梨華の足が、いや、腰から下が密着してる?
 い、いかん、ロリコンじゃないぞ!
 けど、この娘はパンツ履いてないぞ!
 思わず邪念がぁ!
 バカッ、ロリコンじゃないぞ!


「なんにも知らなくて、ごめんな梨華。たった今からパパでいいよ。梨華は俺の娘だ。これでいいかな?」


 俺は、梨華を慰めるつもりで軽く言った。
 梨華の笑顔が爆発した。


「嬉しいー!ありがとうパパ!嬉しい!」


 そう言いながら梨華が抱きついてきた。
 周りの乗客の視線が集中しているのを感じたが、梨華はキャアキャアと騒ぎ続けていた。
 ん?
 胸が柔らかい!
 生だ!
 ブラジャーしてないぞ!
 い、いかん、手玉に取られるな。
 ロリコンじゃないぞ!


「ほらほら、周りの人が見てるぞ梨華。おとなしくするんだ。」


 クスッと笑って、


「は~い、パパ。うふふ、楽しい。」


 梨華は、おとなしくなったが、今度は手を俺の上に重ねてきやがった。


「よしよし、聞き分けの良い娘だ。それと、梨華、下着はちゃんと着けるんだ。だから、絡まれたんだろ?」


 少し驚いたような顔で、


「あら、パパにわかっちゃったんだ。でも、どうして?」


 不思議そうに下からのぞき込むように、俺の目を見てきた。
 同時にセーラー服越しに右の乳房を、俺の左手に押し付けるようにしてきた。


「梨華がこんな風に、身体を引っ付けてくるからさ。悪い娘や。」



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