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梨華との秘密
第4章 娘との日々
 梨華の軽いジャブに、どうかえすか?
 考えてるうちに、別方向から銃弾が、


「うふふ、そうね。ママも初めてだから、嬉しいわ。これから毎日できるといいんだけど?」


 やられた。


「俺も初めてだから、嬉しい。毎日なら、もっと楽しいなぁ。ふふふ。」


 乗せられたぁ。
 けど、俺の本心?
 まてよ?
 梨華と三奈を、同時か?
 

「楽しそう。パパが本当のパパになってくれると、嬉しいな!」


「そうねぇ、ママもパパに梨華の本当のパパになって欲しいって思ってるんだけど?」


 艶っぽい目が、俺を見つめていた。


「うふふ、いいなぁ。三人で一緒に暮らせたら、パパは幸せだよ。うん、そうだ、今度の三連休は三人で一緒にすごそうか?ママ、どうかな?」


 三奈と梨華の瞳が喜びに輝いた。


「わあっ、嬉しい!楽しみい。ママ、いいでしょう?」


 梨華が三奈を期待の目で見ていた。
 三奈がチラッと、俺に目配せをした。


「えぇ、良いわよ。ママも楽しみだわ。うふふ。」


「ママ、ありがとう。家族で過ごすクリスマスなんて、初めてだぁ。嬉しい、楽しみだよ。」


 テーブルに明るい笑いが弾けた。
 食事を済ますと三人が、名残惜しそうに玄関で抱き合い会社へ、学校へでかけた。
 ただ、彼女たちはそれぞれに、俺の唇に唇を軽く触れていった。
 電車の中で携帯に、二通のメールが届いていた。


「ありがとう、二郎さん。

会社につきました。

楽しかった。

今日も、梨華をお願いします。

オムライス、楽しみにしています。

夜中のことは、ごめんなさい。」


 三奈からのメールには、母親と女の間で揺れる思いが表れていた。


「こちらこそありがとう、三奈。

夜中のことは二人の秘密だよ。

梨華のことは引き受けたよ。

オムライス、楽しみにしてな。

今夜も三人で一緒だね。」


 三奈の気持ちが痛いほどわかったが、梨華とのことは、言えないなぁ。
 もう一通は、やはり、梨華からだった。


「パパ、いま学校に着いたよ。

昨日は楽しかった。

写メ、恥ずかしいけど見てね。

パパのために、学校で撮ったから。

オムライス、楽しみ。」


 写メ?
 やばい、ここじゃ、見えないよ。
 岡山駅に着き、構内を出てすぐにもう一度メールを開き写メを確かめた。
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