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第19章 母

「あの竜雄君が任務を途中で放り出すはずないでしょ？この部屋の前で膝を抱えて待ってて、私の顔を見たら"僕は管理人室に泊めてもらいますから"って行っちゃったわ」

「そう…じゃあ、まだ完全に見捨てられたわけじゃないんだ」

「当たり前でしょ？大丈夫、本人に自覚がないだけで竜雄君も花菜子のこと好きだと思う」

自信たっぷりな言い方に、ついすがりたくなる。
だけど…
「お母さん…下手な慰めはやめてよ。余計に惨めになるから」