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左手薬指にkiss
第2章 籠の鍵の行方
目を開いてまた手を下ろす。
今度はしっかりと掴んでスライドする。
後ろを弄られながら、なんだか同時に前も嬲られている気分だ。
俺の手淫なんて、効くのか。
変な緊張に襲われる。
おどおどと類沢を見ると、飄々とした態度で見返された。
どうかした?
そんな空気。
悔しい。
俺だって男。
与えられてばかりじゃ堪らない。
さっきは言葉だけで類沢を堕としかけたなどつゆ知らず、俺は静かに対抗心を燃やした。
先生。
知らないよね。
媚薬は三錠あるんだよ。
シャツの襟に仕込んでおいた錠剤をばれないように俯いて歯で口に含ませる。
手は動かし続けながら上から口づける。
「はん……んむ」
食むように。
唾液を溶かし合うように。
わざと水音を立てて。
喉に流し込もうと舌先に錠剤を乗せた途端、類沢が俺を押し倒した。
その衝撃でごくんと喉が上下した。
「あ……」
馬鹿か、俺。
それとも……
見上げた類沢がにいっと微笑む。
「やっぱりキスは上達しないね」
ばれてた?
意味ありげに目を細めて耳を甘く噛む。
「んあっ」
「僕に盛れると思った?」
囁く吐息にさえ感じる。
ギチ。
今度は強く歯を立てて。
「がッッ、痛っ」
痛みより先に全身に走った快感。
即効性、だっけ。
初めのを飲んでまだ一時間経ってないのに。
自覚と共にブルブルと筋肉が痙攣する。
怖いくらいの波が押し寄せてきてる。
「あ……ああ」
ただ触れるだけで絶頂しそう。
「もう……っ、や」
けれどまた起こされる。
「さっきの続き」
「あくまあっ」
「今更だよ」
歯を食いしばって腰を持ち上げ、手で押し広げてゆっくり挿入していく。
ズズ。
「んっ」
突き上げてくる熱。
ズプン。
「ああああっ」
バチバチと電気が跳ねた。
指先まで痺れる。
痛い。
「んああっ、ひうっ……いいっ」
痛いくらいイイ。
「まだ動いてもないのに」
それ絶対嘘っ。
本当だったら動かされただけで死ぬ気がする。