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左手薬指にkiss
第2章 籠の鍵の行方
「せんっせ、ちょっと待って」
「わかった」
妙にあっさり頷いた類沢がいきなり顔を近づけて、俺の襟を咥える。
「え……」
戸惑う俺に笑いかけ、そこに仕込んでた最後の一錠を食いちぎり、ゴクンと飲んで見せた。
「なにして」
「これでお互い様」
少し上気した顔で。
もうさ……
出し抜けるわけないって。
この人。
ズンと下から衝撃が貫く。
「んあああっいぐっ」
なんでっ。
待つっていったじゃん!
「そんな顔しないの」
子供に言い聞かせるように云うと、今度はつらそうに口元を歪めた。
「この薬強すぎだよ……先に逝くかも」
「ひうあっ」
いま、なんて言った。
俺は溶けそうな頭で考える。
先生を先に逝かせられる?
ボオッとさっきの炎が燃え上がる。
やる。
やってやる。
強気の笑みで答える。
「んっ。先生……っ、イカせてみせますからね」
「そう? やってみなよ」
額に汗を浮かべても余裕綽々。
キュッと中を締める。
上体を反らして、相手の気持ちいい動きだけに集中する。
「あっ、うんんっ、いッッ」
「はっ、頑張るね」
「先生、あん、まだ本気じゃないですよね……壊す気で来てください」
刹那、類沢の瞳が黒く翳った。
ぞくり。
ああ、これ。
ほら。
吐き出してよ。
先生。
「……いいの?」
かつて聞いたことがない声。
低く、重く。
俺は静かに頷いた。
「そう」
類沢は短く云うと、騎乗位の俺を抱き上げベッドから下ろした。
そして振り向く間もなく立ったまま壁に頭を押し付けられる。
片足を持ち上げられて一気に挿入される。
声を上げる間さえなく、ガンガンと物凄い勢いでえぐられる。
「あうッッんくッッはんっ、うあッッ」
地面についた足が体を支えきれずに震える。
支えがなくて壁にすがって爪を立てる。
ガリ。
ガリガリ……
「せ、んせっ、ああッッいくっ、むりッッあああ」
何回も視界が真っ白になる。
そのうち足の感覚がなくなった。
ただ接合部分の熱だけに支配される。