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アネゴ的カノジョ
第7章 長い夜
 
「えっ? ちょ…助役さんっ!?」

 俯せた体を軽々と起こされ、戸惑う杏子。

「約束…忘れましたか?」

 背後から抱き着かれるように起こされた為に、助役の静かな声が耳元で聞こえる。

「えっ…あ……約…束………」

 助役の口から洩れる吐息が、耳を撫で付ける。

「そう……約束ですよ」

 背後から両肩を掴まれ、立たされながら耳元で囁かれる。

「う……約束……覚えて…るよ………」

 吹き掛かる吐息にゾクゾクッと体を震わせる杏子。

 しかし、掴まれている上に、酒に酔った体は力が思うように入らない。

「確か……『何でも』言うこと…聞くんですよね……」

「うぁ………そ…そう…言ったけどぉ………」

 耳から伝わる刺激に、危うく甘い声が洩れそうになる。

「だったら…果たして貰わないとね……」

「えっ!? あっ…ちょっとっ……」

 不意に後ろに重心が傾く。

 力が入らない杏子の体は、逆らう事無く後ろに倒れていく。

 しかし、背中に床と当たる衝撃は無かった。

「ここまで来たら、流石にアンズちゃんも分かるでしょうけど……
 要求は………」

 後ろから抱き抱えられてベンチに座っていた。

 杏子は助役の開いた脚の間に座らされ、背後から耳元で囁かれた。
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