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第8章 起こされた本能

　
　否定しても、杏子のクチから溢れ出すのは熱い吐息と甘い声。

　再び耳や首筋を責められ、乳首をキュッと捻られてはギュッと引かれる。

　撓わな胸の柔肉が伸びる程の痛い刺激。

　鷲掴みにされた右胸からは、グニュグニュと円を描いて捏ねられる刺激。

　それらの刺激が、快感の小波を大きくさせながら脳に突き抜けていく。

「んはっ…はっ…アタシ……感じて…なんか……んあぁっ………」

　強い刺激たちに俯き気味だった顔が上がる。

　ギュッと瞳を閉じて、快感に抗おうとする杏子。

　しかし、カラダの火照りは疎か、奥から芽生えてくる疼きに喘ぎ声を抑えられない。

「その割には、いつもと違ってやけに女らしいですね」

「んくっ…そ…そんな事……ない………」

　ペロペロと首筋や耳を這う助役の舌が、杏子を快楽に誘【ｲｻﾞﾅ】っていく。

　乳首は疎か、首筋や耳までもが性感帯である杏子。

　クチでは否定しながらも、与えられる刺激に、いつしか腰を艶めかしくくねらせていた。

「そんな強がりも…これまで…ですよ」

　カプッと耳を甘噛みされながら、右胸を捏ねていた腕が移動する。

「んはぁ…はぁっ……な……何が……あぁあっ………」

　新たな刺激に杏子は背中を助役に預け、天を仰いだのだった。