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アネゴ的カノジョ
第1章 姉と弟
大家と交渉をしていると、背後から聞こえた女性の声。
思わず振り向いた時だった。
「あぁっ! やっぱ…マサじゃねぇかっ!?」
荒々しい言葉遣いの小麦色の肌をした、ポニーテールの女性。
幼少の頃に呼ばれていた愛称を耳にして、雅人は怪訝な表情を浮かべた。
「そうだろぉっ!? 見た目は変わっちまったけど、アタシにはお見通しだよっ」
自信満々に豊満な胸を張る女性。
その胸に思わず視線を釘付けにしながらも、雅人の頭には一人の女の娘が浮かんでいた。
長い黒髪と細面の顔に面影を覚える。
「…もしかして……キョウ……姉ちゃん…?」
震える声で言葉を吐き出せば、瞬間に衝撃を覚えた。
「やっぱ、マサじゃねぇかよっ!
久し振りじゃんかぁっ!!」
抱き着かれた衝撃によろめきながらも、雅人の表情は徐々に綻んだのだった。
そこからは、杏子が保証人になる事で、雅人の住居が確保された。
数年過ぎて再会しても、杏子は姉のように接してくる。
おしとやかだった杏子のイメージはなりを潜めた。
しかし、見事に成熟した女性らしい体つきになった杏子に、雅人は毎度鼓動を早めるのだった。