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アネゴ的カノジョ
第3章 夜道と水難
トンッと軽く押された杏子の体。
軽い力でも、キスに因って昔の感覚を呼び起こされつつあった杏子の体は簡単に倒される。
「た、タケ……お前っ………」
辛うじてベンチに両手を着いて、顔を振り向かせる杏子。
その体勢は、尻を突き出した四つん這いにも似ていた。
「そういやさぁ………」
久々に口を開いた武彦。
その言葉は、激しい雨音の中でも、やけに鮮明に杏子の耳に届いていた。
「た…タケ……? も…もう…な?」
ベンチに両手を着きながら、頭だけを向ける杏子。
その視界に映る武彦に、先程までの爽やかな雰囲気は無かった。
「キョウ……姉………」
その雰囲気は、快楽に溺れていた昔に見せられていたもの。
それを体は覚えているのか、勝手に体の奥をジンジンと疼かせる。
「も…もう…アタシたちは……な?」
それを感じ取った杏子は、震えた声で話し掛ける。
理性はこれ以上を拒んでいた。
それでも体は、当時を呼び起こしたように、更なる武彦の愛撫を求めるかのように尻を突き出した儘だった。
「この場所は……初めてだよね……キョウ姉………」
杏子の言葉を無視した抑揚の無い武彦の声が、鮮明に耳に届いた。