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アネゴ的カノジョ
第1章 姉と弟
『君は成績は申し分ないんだけどねぇ……。如何せん、もう少し性格を考えんと………』
「…はぁ……」
担任の言葉が頭の中でリピートされれば、溜め息だけが溢れる。
足取りも重く、トボトボと帰路に着く雅人。
「…今更性格なんて……。どうしようもないじゃん………」
ブツブツと担任への不満を洩らす雅人の雰囲気は、晴々とした天気とは正反対にジメジメとしたもの。
更には、俯きながら歩く、色白の顔に黒縁眼鏡のお坊ちゃまヘアの雅人には暗いイメージしかなかった。
通り過ぎる人たちは、自然と雅人から距離を置いて去っていく。
「…人付き合い…なんて……」
面と向かって会話など出来なかった。
目を見て話すなど、以っての外。
何か言ったら気に障るのではという思いが先に立ち、会話を避けるようになっている雅人。
「……はぁ……。面接…かぁ………」
高校も三年になれば、進路も決めなければならない。
進路相談があれば同じ事を繰り返して言われ、その度に益々暗いイメージを纏わせる雅人だった。